出版社内容情報
母が亡くなり、叔母の住むジャマイカ館に身を寄せることになったメアリー。だが、荒野のただ中に建つ館で見たのは、昔の面影もなく窶れ怯えた様子の叔母と、その夫だという荒くれ者の大男だった。寂れ果てた館の様子、夜に集まる不審な男たち、不気味な物音。ジャマイカ館で何が起きているのか? 『レベッカ』「鳥」で知られる名手デュ・モーリアが、故郷コーンウォールの荒野を舞台に描くサスペンスの名作、待望の新訳決定版!
内容説明
母が亡くなり、叔母の住むジャマイカ館に身を寄せることになったメアリー。だが、原野の只中に建つ館で見たのは、昔の面影もなくやつれ、怯える叔母と、その夫で荒くれ者の大男だった。寂れた館、夜に集まる不審な男たち、不気味な物音。ここで何が起きているのか?『レベッカ』「鳥」で知られる名手デュ・モーリアが、コーンウォールを舞台に描くサスペンスの名作、新訳決定版。
著者等紹介
デュ・モーリア,ダフネ[デュモーリア,ダフネ] [du Maurier,Daphne]
1907年ロンドン生まれ。祖父が高名な作家で画家、父が舞台俳優兼演出家、母が舞台女優という芸術家一家の三人姉妹の次女として生まれる。1931年作家デビュー。1989年没
務台夏子[ムダイナツコ]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
104
感想は書かない。冒頭の数頁読んだだけで原野の叙述に痺れた。一気読みしたいけど、叙述自体を楽しむべきと感じ、敢えて1週間を費やして読んだ。美は細部にあり。だからと云って物語性も存分に楽しめる。結末には異論がありえようが、主人公は若い女性なのだから、新たなチャレンジなのかもしれない。お薦め。2021/08/30
藤月はな(灯れ松明の火)
92
本当に『鳥』や『赤い影』、『イソガイ』の作者か?舞台が『嵐が丘』を連想させる荒野で、ゴシック且つピカクレス・ロマンスだからだ。最近、昔の女性作家さんの初期作品や別名義の小説が刊行される度にその幅が広い活動に驚くばかりである。夫、ジャスに抵抗する心を折られ、おどおどと卑屈に振舞う叔母の名前がペイシェント(忍従)とは何て皮肉なんだろう。ジャス達のやっていた事、ジャマイカ館での悪事の黒幕には早くも気づくも無鉄砲で勇猛、そして相反する心で恋するメアリーを思わず、応援してしまう。あの予言がああ、当たるなんて・・・。2021/07/17
星落秋風五丈原
66
映画と異なり原作には、ジョシュアの弟で馬泥棒のジェムと地域で尊敬される牧師フランシスが登場し、メアリーを巡った三角関係になる。ワルだがワイルドな魅力のジェムと、正統派ヒーローのフランシス、更にジョシュアすら、メアリーは最初から彼に反発する異分子で邪魔者だからさっさと放り出せばいいのに彼女に語りかける場面があり、こんな時なのにモテキ到来のヒロインである。とはいえハーレクイン小説のゴールである結婚は、どうやらメアリーの望みではなさそうだ。ワルの魅力に惹かれる自分も自覚している。そんな彼女の最後の選択は? 2021/04/07
さつき
63
母の遺言により、一度しか会ったことのない叔母のもとに身を寄せることになったメアリー。そこは荒野の真っ只中にあるジャマイカ館という宿屋でした。叔母は若い頃の面影もなく虐げられた様子。荒くれ者そのものな叔父にはどんな秘密があるのか?サスペンスとロマンスの兼ね合いが絶妙で楽しく読みました。ヒロインのメアリーが理性的でしっかりした性格なのが頼もしかったです。2025/03/30
Kotaro Nagai
52
創元のデュ・モーリア5冊目。本作は1936年発表の著者の長編4作目。この後に書かれた長編が「レベッカ」です。物語は19世紀前半の英国コンウォール地方、23歳のヒロイン、メアリーが母に死なれ唯一の肉親の叔母を頼って「ジャマイカ館」を訪ねるところから始まります。そこで彼女を待ち受ける恐怖と試練。登場人物の造形が卓越していて、小説の世界に入っていけます。デュ・モーリアにハズレなし。ヒロインのメアリーは19世紀の女性にしては独立心と勇気があり、立ち向かう姿はちょうど「白衣の女」のマリアンのように好感が持てます。2021/08/01
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