出版社内容情報
一家皆殺し、目撃者はいないはずだった。だが、殺害現場にもうひとり女の子
がいた痕跡見つかる。女の子は殺害された一家の母親の姪ニコル。惨劇を目撃したとすれば、犯人に狙われる可能性が高い。ニコルを発見し保護したのは、トルケルのチームと共に捜査に加わっていたセバスチャンだった。だが、発見されたニコルは、言葉を発することができなくなっていた。セバスチャンは、彼女を死んだ娘と重ね、なんとか心を開かせようとする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
131
何なの、この女検事、間違ってるのに偉そうに。この女市長、何様のつもりだろう、権力をゴリ押しするな。この母親、都合いいよなあ、娘の気持ちに乗じて男をみつけようとしたり邪魔者扱いしたりして。セバスチャンに付きまとった女もしかり。みんな、作者が罰を与える。ウルスラも、高慢すぎて片目を失った。庇護されるべきものだけが、セバスチャンの優しい視線の中にいる。女性が強いのはいいけれど、高慢で鼻持ちならないのや、男探しばっかりしているタイプは嫌いなんだろうな、この作者たち。シリーズとしては、どんどん面白くなる。2018/04/24
のぶ
68
上巻で起きた一家4人の惨殺事件。下巻に入り捜査は続くが、被害者一家に鉱山開発に関わるトラブルが発覚する。やがて捜査線上に上がった人物は死んでしまう。唯一手掛かりになるになるのは、上巻で事件を目撃したと思われ、ショックで話をする事ができない状況の少女ニコル。セバスチャンのチームは何とか口を開かせようと努力するが・・・。本シリーズはセバスチャンのキャラと事件捜査の面白さで読ませるが、本作もやや地味な印象はあったが、十分に楽しませてもらった。2018/03/03
キムチ
52
セヴァスチャン☆彼のキャラが周囲との対比の中でストーリーを引っ張る。4作目という事だけど、変人の私には結構すんなり入る(最も後で解説を読んで膨らませたけど)私的事情が複雑にあるこの国(フリーセックス・不倫・男色・幼児虐待など)が集団の、組織の中でどうかかわって行くかが作品のテーマと流れているのは興味深く読ませる。この事件の犯人もね。事件より精鋭メンバーの暗部がちらつきすぎての中だるみは否めなかっただけに終盤部、ビリーの衝撃的な一面は驚く・・大丈夫か?この先。過去に離した柔らかい少女の手がイメージとして残る2019/05/14
星落秋風五丈原
49
さて、今回も事件解決で終わりではなく、厭な引きがある。ラストシーンは登場人物のうちの一人の結婚式で、幸せの絶頂にいるはずの人物が、暗い欲望を抱えている事が明らかになる。但しその変化は前巻から積み上げられてきていたため唐突ではない。知っているのは目撃者であるセバスチャンだけだが、弱みを握られてしまった。さあ、セバスチャン、公共の平和のために自分の秘密を犠牲にするか、それともまた、すぐばれるような嘘をついてしまうのか?2017/12/07
bianca
43
正直、前作はイマイチだったけど、これはツイストしてて良かったな~。このシリーズは、もうドラマ化されているようだけど、「この手は決して離さない」的な曲があったら(なんかありそう)絶対あの場面で使って欲しいです。それにしても、ヴァニヤの性格が悪化しいてるのは、やっぱり遺伝なのでしょうか。あと、ビリー問題(相当深刻)が勃発し始めて、こういうのは、もうどうしたら良いのか…。嫌なハラハラドキドキを抱えつつのラスト。ドラマの脚本家だから、次に繋げるのが上手い。絶対次も早く読みたくなるもんな~。2018/02/07