出版社内容情報
無人島で発見された死体。そのポケットには意味不明の言葉が書かれた紙が入っていた。西アイスランドの美しい島を舞台に伝承の書と暗号が織りなす、癒やしの北欧ミステリ。
内容説明
西アイスランドの美しいフィヨルドの湾に浮かぶフラテイ島。その島からアザラシ猟のため無人島に上陸した少年が見つけたのは、死後かなり経過した男性の死体だった。死体のポケットには、意味不明の言葉が書かれた紙切れが、伝承を集めた『フラテイの書』に隠された、災いをもたらす暗号の鍵なのか。“ガラスの鑑賞”候補作。アイスランドの島を舞台にした癒やしの北欧ミステリ。
著者等紹介
北川和代[キタガワカズヨ]
ドイツ文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
361
タイトルの「フラテイ」は、アイスランド北西部のブレイザフィヨルドの真ん中あたりにある島。そして、ここが物語の舞台であるとともに、アイスランドに古くから伝わるサーガの地。もっとも、作中にサーガはたびたび顔を出すものの、それほど物語そのものの本質に深くかかわるというわけではない。また、北欧ミステリーとはいうものの、展開は頗る悠長であり、サスペンス性は薄い。むしろ、このまったりとした語りが特徴だろうか。また、登場人物がやたらに多く、誰が主人公というわけでもない。そのことは求心力の欠如にも繋がるだろう。2021/06/09
ケイ
138
これから読む人にネタバレにならないように感想を書くのは難しい。アイスランドの小さなフラテイ島。主食はアザラシ。1960年が舞台だから牧歌的なのかな。今はどうなっているのか、あまり変わらずにいて欲しいと願う。そんな所で発見される死体と、島に伝わる暗号の書。隣国との暗号の書の所有を巡るいざこざなんかは、実際にもありそうな話だ。最後の展開が全く予想がつかず...、とにかくオススメ。2018/11/12
ちょろんこ*勉強のため休止中
53
「セグロカモメのスープ」「アジサシの生卵」「アザラシ」、そして「海水で溺れた羊肉のパテ」など本筋と関係ないところに心が動いてしまいました。どんな味がするのかとても気になります(;´д`)北欧ミステリーの登場人物って聞きなれない響きの名前ばかりで、しかも長いのでなかなか覚えられず...一旦入り込 むとアイスランドののどかだけれど厳しい生活と、フラテイの書がツイストして独特な味わいでした。スローテンポで、ミステリーっていう感じはあまりありませんでした。2013/12/09
あっちゃん
26
アイスランドの島を舞台にした人間模様と少しのミステリーといった感じ!新任の地区長代理が無人島で発見された遺体の捜査を命じられる、長閑に淡々と…といった印象で最初は退屈気味な雰囲気だったけど、素朴なのが癖になったのか、やめられない止まらない某スナック菓子のような味わい(笑)ミステリー的にはイマイチなんだろうけど、私的には面白かった!因みにアイスランドの名前は覚えるのはキツイ!フィーリングで読みましょう(  ̄▽ ̄)2017/06/10
星落秋風五丈原
23
殺人事件が起こったにしては皆とてものんびりしている。離れ小島に住んでいる人には縁がないからか?と思っていたがじわじわと哀しい出来事が明らかに。静かなるミステリーという感じ。2014/04/14