出版社内容情報
傷病休暇中のライカーが心を寄せる女性の周囲で、恐ろしい事件が次々と起こる。謎めいた女性の正体は? ニューヨーク市警の刑事マロリーが、相棒ライカーの事件に挑む。
内容説明
完璧な美貌の天才的なハッカーでニューヨーク市警の刑事、キャシー・マロリー。弟の清掃会社を代わりに経営し、警察に復帰する気がないような、傷病休暇中の相棒ライカーの態度に彼女は苛立ちを募らせていた。そしてジョアンナ・アポロ。清掃会社で働くその女性にはFBI捜査官がつきまとい、彼女に嫌がらせをしていた浮浪者は殺された。ライカーが心を寄せる女性は何者なのか。
著者等紹介
務台夏子[ムタイナツコ]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
64
マロリーはクールでハードボイルドな刑事。だが、彼女は心の底から大切なものは何とでも守ろうとする。ライカーが窮地に陥るといつもマロリーは天使の如くあらわれて彼を救い出す。今回、彼を狙っているのは連続殺人犯。明らかに有罪と思われる被告を無罪とした裁判の陪審員達が一人ずつ殺されていき、狂ったDJは、番組で生き残った陪審員達を公開捜査する。そこに関わる猫背の精神科医にライカーが惹かれ犯罪に関わってしまい、自分自身の心の病も抱えるのをマロリーは救おうとするのだけれど…切ない。彼女の真意を知るのはチャールズだけだ。2014/05/05
yumiha
40
本書の主役は、マロリー刑事ではなく、相棒の酔いどれ刑事ライカ―だった。前作でのケガとトラウマを抱えたまま6か月のライカ―。ゴキブリすら逃げ出すカビの生えたピザ、部屋の隅に次々たまる靴下などライカ―の物ぐさぶりとそれを非難する掃除婦オルテガとのやり取りは、笑わせてもらえる場面。でも、ジョアンナとの恋は切なかった。お互いに自分より相手が大切と言えるほど思い合っていたのに・・・。ラスト3行は、私の予想通りだった。そして本書の事件の真の加害者は、ACLU(アメリカ市民的自由協会)だと思った。ショックラジオは違法。2020/01/31
Hugo Grove
21
今作は哀しい。愛情をうまく表現する術を知らないマロリーの愛は最終的に愛するライカーからも自分からも全てを奪ってしまった。事件そのものよりその哀れさの方に心に突き刺さった。この先いったいどうなるのだろう。2014/04/10
tom
15
とりあえず読了。面白いかどうかと問われたら、100点満点の30点か。おまけに今回は、マロリーさんの過去の出来事がどこにも見当たらない。これを楽しみにして、妙に難解風のこのシリーズを読んでいるのにと思ったのだ。今回はさすがに残念本。次作はどうなるのか。けっこう徒労感の多いミステリーだけど、ここまで読んだのだから、仕方なく次作を図書館に発注。2021/04/23
akio
15
待ちに待った新作。やっぱりオコンネルはイイ!です。オリジナルは11作まで出たというので引き続き翻訳を待ち続けます。だってあのラストシーンを読んだら、次巻で変わらぬライカー節が聞けるのか気になって仕方ないじゃないですか。胸を鷲掴みにされて涙ぐんでしまう、そんなラストでした。2014/03/03