内容説明
パラダイン男爵家を脅かす怪現象の数々―ポルターガイスト、うろつく尼僧の亡霊、外から鍵をかけた部屋で夜ごとひとりでに曲を奏でるハープ。さらに悪いことに、客人が幽霊に襲われた!騒動を鎮めるため駆けつけた心霊探偵ヒーロー氏の活躍やいかに?『スノーグース』などで知られる心やさしきストーリーテラー、ギャリコ唯一の長編本格ミステリ、本邦初訳。
著者等紹介
ギャリコ,ポール[ギャリコ,ポール] [Gallico,Paul]
1897年ニューヨーク生まれ。コロンビア大学卒業。スポーツライターとして活躍した後、40歳前後で作家に転じ、幅広いジャンルの作品を手がける。1976年没
山田蘭[ヤマダラン]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tetchy
115
読了後、思わずお見事!と唸ってしまった。ギャリコのミステリは幽霊を題材に扱いながら、鮮やかなミスリードが決まった作品だ。そして改めてタイトルを見ると、まさにこれしかないと再び唸らされる。小説巧者ギャリコのストーリー、そしてキャラクターの妙味に溢れている。一癖も二癖もある人物達、しかもそれら人物設定で既に幽霊騒動の謎解きの伏線が巧みに仕込まれているのだ。また主人公の心霊探偵アレグザンダー・ヒーローが先に読んだミセス・ハリスの顧客である事も心がくすぐられる思いがした。そんな傑作なのに「感想が少なすぎる!」2025/11/14
goro@the_booby
41
ポール・ギャリコのミステリー作品。旧い館の斜陽な一族に降りかかるポルターガイストに尼僧の幽霊、聴こえるハープの音色。幽霊退治に呼ばれてきたのは心霊探偵ヒーロー。パラダイン一族とそれぞれ怪しいゲストの方々の中で真相を明らかに出来るのか!?モテモテ探偵さんが羨ましいですが、ギャリコらしくて以外にミステリーでありました。少しだけハリスおばさんが出てきます。2016/05/30
はな
37
やっと読めました!面白かったです。ホラーのイベント参加のつもりで図書館で見つけて読みましたが、推理小説でした。典型的な感じが久しぶりで楽しかった。キャラクターも生きていてとても良かったです。2016/08/31
紅はこべ
34
美人に弱く、女性や子供には優しいが、モラハラ系の男には容赦しない心霊探偵ヒーローのキャラが良い。イヤミスの正反対系ミステリ。「ダウントン・アビー」の舞台での「トリック」みたいな感じ。但しヒーローが実は本物の心霊現象を見たがっているというのが「トリック」とは違うな。我孫子武丸氏の解説にある通り、子供の描き方が良かった。それにしてもヒーロー、女心に疎すぎ。シリーズ物になってもおかしくないミステリでした。2015/03/30
きょちょ
27
感動の名作「七つの人形の恋物語」の著者ポール・ギャリコ唯一の長編ミステリーだそうだ。 誰もいないのに鳴るハープ、勝手に動く椅子、物が飛び交う部屋、妖しい尼僧、すべて幽霊の仕業なのか・・・。 謎解きとしては、なかなか本格的なものだった。 探偵役と、彼の継妹の関係がなかなか良いね。 ★★★2020/04/04




