出版社内容情報
国家犯罪捜査局の元凄腕長官ヨハンソン。脳梗塞で倒れ、命は助かったものの麻痺が残る。そんな彼に主治医が相談をもちかけた。牧師だった父が、懺悔で25年前の未解決事件の犯人について聞いていたというのだ。9歳の少女が暴行の上殺害された事件。だが、事件は時効になっていた。ラーシュは相棒だった元刑事らを手足に、事件を調べ直す。スウェーデンミステリの重鎮による、CWA賞インターナショナルダガー、ガラスの鍵賞等五冠に輝く究極の警察小説。
レイフ・GW・ペーション[レイフ・GW・ペーション]
著・文・その他
久山葉子[クヤマヨウコ]
翻訳
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
189
体調がいいことを「黄金の中の真珠のような気分」とか「プリマ・ライフ」とかいうのは、スウェーデン語特有の表現なの?リスベットはスウェーデンでは他のミステリに言及される存在なのね。ヨハンソンは読んでないみたいだけど。ヨハンソン推薦のデュレンマット作品読みたい。邦訳されてないのかな?引退した元管理職が時効となったコールドケースを調べ出したとなったら、現役が鬱陶しがるのが常だと思うが、本作では全面協力。愛されてるな、長官。漫才みたいなミステリ。会話が主で、必ずヨハンソンやヤーネブリングの内的ツッコミが入る。2019/02/26
KAZOO
166
やはり北欧は長いミステリーが好まれるのでしょうか?久しぶりにじっくり読ませてもらいました。やはり冬場の長い夜を持て余さないようにという工夫なのでしょうね。今までにないような感じで時効になった事件をいかにして退職した警察の人物が証拠を見つけていくか地道な話です。構成もしっかりしていて私には久しぶりに本格ミステリーということで楽しめました。「ミレニアム」のように活劇的な場面はないのですが十分に楽しめます。2018/03/30
Panzer Leader
120
「第130回海外作品読書会」脳梗塞で倒れた元犯罪捜査局の凄腕長官の主人公が主治医から時効となった幼女殺害事件の調査を依頼される。この主人公頑固で差別主義者的な口うるさいおじいさんだけど、嫌悪感を抱かないのは、ユーモア溢れる内省的な独白や残された人生を謳歌しながらも地道に捜査に邁進する姿勢からか。それが故現役の捜査官や周りの人たちからも慕われている。凝ったトリックや派手派手しいドンデン返しなどないけれど、じわじわと真相に迫っていく様はスリリング。長編だけど全くだれず面白く読み切れた。今年読んだ中ではベスト。2019/03/23
のぶ
108
派手さはないものの面白い作品だった。定年を過ぎた国家犯罪捜査局の元長官ヨハンソンは、脳梗塞を患い麻痺が残る。そんな彼の下に、25年前に9歳の少女が暴行の上殺害された事件の手掛かりを知っているという情報が入り、捜査の依頼が来るが時効は過ぎていた。相棒だった元刑事らの協力でこの事件を調べ直す。時効を過ぎた事件を裁けるのかがテーマの一つになっている。本作ではヨハンソンの日常が克明に描かれて、こちらの描写が興味深い。事件の真相も明らかになるものの、ミステリーよりヨハンソンの人間味がより際立った警察小説だった。2018/05/22
遥かなる想い
99
ヨハンソン・ヤーネブリング コンビによる 25年前の未解決事件をめぐるミステリーである。9歳の少女が暴行の上 殺害された事件 …既に時効になっている事件の犯人は 誰だったのか? コンビの会話が延々と続く中、犯人が 判明するが、結末には 少し驚く… 定番の警察ミステリーだった。2023/08/29
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