内容説明
「これは殺人じゃないわ。処刑よ」リディアは宣言した。姉を自殺に追い込んだ憎き恐喝者が、いま残された家族の前で息絶えたのだ。彼らは死体を処分しようと画策するが、事件は早々に警察に知られてしまう。一方、通報を受けたニューヨーク市警のヴァルクール警部補は着実に彼らの跡を追う。だが、事件は意外な相貌を見せ始めるのだった。知られざる名手のサスペンス溢れる大表作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
24
再読本なのだが、すっかり忘れているのに驚き。毛色の変わった倒叙ミステリかと思いきや、何と。すっかり騙された。見事なレッドへリング。上流の若い女性がかつて出した恋文が元で恐喝されるって、ホームズものにもあるけれど、どんだけ英米の上流階級はお堅いんだ。日本の平安貴族なら、素敵な恋歌を詠める姫君は高い評価を受けたろうにね。2015/08/02
ホームズ
21
面白かった(笑)色々突っ込みどころがある気はするけど物語はとても楽しめる感じで良かった。犯人当てとしてはちょっと微妙というか。ある所を見るとちょっと不自然な感じがして何となくわかってしまうけど(笑)2013/01/19
本木英朗
19
アメリカの黄金時代ミステリ作家のひとりである、ルーファス・キングの長編のひとつである。俺は1999年に一度読んでいた。「これは殺人じゃない。処刑よ」 リディアは宣言した。姉を自殺に追い込んだ憎き恐喝者が、いま残された家族の前で息絶えたのだ。彼らは死体を処分しようと画策するが、事件は早々に警察に知られてしまう――という話だ。サスペンスそのものってところがよかったです。全部で250ページ弱の内容だけれど、満足でした。またいつか読もうっと!!2023/12/08
けいちゃっぷ
11
恐喝され自殺したジェニーの仇をとるために、残された家族は計画を練る。 そして、恐喝者が現れ・・・。 倒叙ミステリみたいに進むが、必死になればなるほどドタバタになって面白い。 色々と無理がある気がするが、コンパクトに読みやすくまとまっていた(死体の移動という脱線はあったが)。 264ページ 2014/08/14
koo
5
前半は脅迫され若くして自殺したジェニーの一家が脅迫者と相対し脅迫者が死亡する場面から始まりそこから犯行隠蔽を図る家族とそれを追跡する警察が描かれます。訳のせいか描写が拙劣で犯行場面の臨場感やサスペンスの盛り上がりはイマイチ。後半何故か(笑)船上サスペンスになりラストは中々の本格的切れ味でしたが現実味が乏しく「普通気づくだろ」と思わずにはいられませんでした。ジェニー一家の行動の杜撰さ、犯行のご都合主義が気になりイマイチな読後感でしたね、残念です。2022/05/03