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創元推理文庫
蛇の形

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  • サイズ 文庫判/ページ数 587p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488187064
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

ある雨の晩、ミセス・ラニラは、道ばたで隣人が死にかけているのに出くわしてしまう。警察の結論は交通事故死。だが、彼女には、隣人の死に際の表情が「なぜ私が殺されなければならないのか」と訴えていたように思えてならなかった。それから二十年後、ミセス・ラニラは殺人の証拠を求め、執念の捜査を開始する。人間の内に潜む邪悪なものを描き出す、ウォルターズの傑作長編。

著者等紹介

成川裕子[ナリカワヒロコ]
1951年沖縄に生まれる。1975年香川大学経済学部卒業。英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

33
アニーの死によってラニラ自身がダメージを受けることは何もない。にも拘わらず他人に決して知られないように二十年も強い意思を持ち続ける彼女の動機とは何なのか?最初は友人・家族・警察など自分を信じようとしなかった相手に、自分が正しかったことを証明するためと思った。結果は正義感も確かに動機の一つではあった当初彼女が明かしていない事実もあった。ラニラを学校教師に設定したのも捜査に役立っている。何せ近所の子供達は元教え子だ。両親が手ごわくても大人になってもラニラを信じ、素直に頼みを聞いてくれる子供たち。 2021/03/04

4fdo4

21
雨の晩に家の前で亡くなった近所の黒人女性。 その真相を20年越しに自力調査する元教師の女性。 舞台のイギリスにおける階級社会を実感できないのだが 作中に出てくる「Poor white syndrome」は興味深い。 600ページ近いボリュームと30人の登場人物。 なかなか解決の見えない謎解きにやきもきするが、最後の手紙に救われた。 2020/05/09

ダークスター

18
久しぶりのウォルターズ作品でした。自分が読んだウォルターズ作品の中でも、一番のお気に入りかも。でも、ミセス・ラニラの執念には驚かされました。女性はすごい。2018/09/18

mejiro

16
複雑な構成と重厚な内容を思うと、この物語が一冊の本に収まってることに感嘆する。「わたし」は長い年月と苦労の末、葬られた事件の真相を明らかにする。語られる事実は目を背けたくなるほど醜く、悲惨だ。貧困、偏見、差別、暴力、虐待…あらゆる問題が含まれている。さらに家族とは何か、などいくつも容赦ない問いを突きつける。他者と意思疎通ができない苦悩、身内にさえ信じてもらえないつらさ…被害者と「わたし」の立場が重なり、揺さぶられる。主人公の執念の理由を明かすラストが心に深く刺さる。ミステリの枠を超えたすごい作品だった。2018/12/06

chiru

11
隣人の黒人女性が殺される。居合わせた主人公は20年たっても忘れることができないんだけど、なぜそれほど執着するのか、ということが気になった。主人公の受ける苦難は想像以上に苦しい。重厚感あふれるラストは切なかった。★22017/10/16

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