創元推理文庫<br> 氷の家

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創元推理文庫
氷の家

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  • サイズ 文庫判/ページ数 464p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488187019
  • NDC分類 933.7
  • Cコード C0197

内容説明

邸の氷室は十八世紀に小丘を模して造られた。冷蔵庫の出現にともない保冷庫としての役目を終えていたそこで、不意に死骸が発見される。胴体は何ものかに食い荒らされた、無惨な死骸。はたしてこれは何者か?…ここにはすべてがある。悲嘆も歓喜も、幻滅も信義も。これはまさに人生そのもの、そしてミステリそのもの。ミステリ界に新女王の誕生を告げる、斬新なデビュー長編!CWA最優秀新人賞受賞作。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

85
〔再読〕屋敷の主人が失踪、警察は妻のフィービによる殺人と考え捜査をするが、遺体は発見されず未解決のまま。10年後屋敷内の氷室から、動物に食い荒らされた無惨な死体が見つかる。しかし、遺体の身元も死因も特定されないまま、読者は何を推理すべきか解らない。設定も魅力的で、人間ドラマとしては様々な社会問題を含み、物語の読みやすさは巧みだ。氷室の死体も屋敷の主人の事件も、真相はある意味明らかにはなる。だが読者が伏線を探し、本を閉じ推理に時間を重ねても、答えは唐突に出てくるミステリ仕立ての物語である事は不満が残る。 2020/10/07

miri

76
CWA最優秀新人賞受賞作。通常ミステリーは、死体発見、殺人が確定してストーリーが進むのがセオリー。この作品は、死体発見時遺体の損傷が激しく殺人の有無すら不明。しかし、十年前の館の主人の失踪に住人の女性達が関わっているのではないかとの核心的な部分があやふやなまま進んでいくので、読者も頭を絞って真相を見極めようと物語に巻き込まれていくのです。女性達のそれぞれ憎めない個性的なキャラクターが際立ち、警察との攻防すらいつしか応援したくなる。秀作です。2020/09/20

雪紫

49
10年前、失踪した夫殺しの容疑を掛けられた妻が友人達と住む邸宅の氷室で、胴体を獣に食われた男の遺体が。遺体は夫か否か。夫殺しが実在だと頑なに信じる者達が余計なことをしでかす。・・・半分過ぎても探偵役と思わしき警察があれ過ぎて不安しかないんですが。ロマンスは、まあいいか。人物達のクセが強過ぎかつ、「遺体は夫、犯人は妻」以外の根拠や解答は切り捨て、認めたくない奴らのせいで緊迫感と先に進む不安が強い。そうきたかや、妙に悪くない後味なの何故・・・。ウォルシュ警部の後日談が一番気になるの込みで。2025/04/09

いっくん

29
長編1作目。氷室で発見された身元不明の死体は、十年前に失踪した実業家デイヴィッド・メイベリーなのか?ストリーチ・グレインジの屋敷に住むフィービ、アン、ダイアナの三人の女性の闘いの物語…。ミステリとしては少々外されたと思うところはあるけど、登場人物の初めの印象が、読了後にはガラリと変わって違う世界がみえてくる。大袈裟なトリックなんかは無いけど、満足度は高いです(^_^*)2018/03/26

山ちょ13

29
「氷の家/ミネット・ウォルターズ」読了。デビュー作だそうです。3人の女性が程よい感じに個性的で、特にアンは男が何故か深追いしてしまいたくなるような魅力を持っていたと思う。実際惹きつけられた人がいた。氷室の死体の発見によって明らかになり始めるストリーチ・グレインジとその周辺の人々の人間関係、そして過去。差別、偏見、暴力、欲望、権力、、、色々なモノが蠢きあっていた。2017/04/08

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