内容説明
シャーロック・ホームズを模して書かれた贋作と、偽作の類は、天文学的な数字に上っている。中でもダーレスの創造したソーラー・ポンズは“プレイド街のシャーロック・ホームズ”といわれるほど生き写しのキャラクターだった。その全七十編の作品中から、「アルミの松葉杖」「ファヴァシャム教授の失踪」等、聖典中の“語られざる物語”を取り上げた短編など十三編を収録した。
著者等紹介
吉田誠一[ヨシダセイイチ]
1931年生まれ。東京外国語大学英米語科卒。1987年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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セウテス
82
ホームズのパステーシュとしては絶品、見事にホームズ作品の雰囲気を楽しめる。名前や舞台など全く違うのだが、これは正しく設定を変えたホームズ作品だと言えると思う。本格、サスペンス、ハードボイルドなどのミステリの区分けで言うなら、「ホームズミステリ」という区分けが在っても良いのではないか。このポンズシリーズ、実は原ホームズ作品よりも多い作品数が在ると知って驚いた。同時に、日本で翻訳されている作品が本作だけとは、哀しくて仕方がない。ポンズというシリーズとしてもたいへん面白い、是非とも次の翻訳作品出版を期待したい。2020/08/12
J・P・フリーマン
13
ソーラー・ポンズという探偵が活躍する推理小説ですが、名前が違うだけでほぼホームズのパスティーシュです。ワトスン、レストレード、ハドスン夫人、マイクロストに当たるキャラクターもいますし、わずかな手がかりから依頼人の素性を当てるのもホームズの手法そのもの。ホームズ好きならはまる作品かも?2020/12/21
歩月るな
10
初めてのダーレスがこれと言うのも致し方ない所ではあるけれど、間違いではないとも思うのです。1928年から書かれていながら、時代は第一次大戦後からの時代を書き継いでいる形。パロディではなく忠実なパスティーシュには、さすがと思わせる筆致が見て取れ、そこかしこに愉快な妙味が転がっている。こういう作品には珍しく想像芸術の分野の賞についての疑わしさ、批判をポンズにさせている所もちょっと面白い所ではある。もちろんそれは物語に絡んでくるものであるのだが。70年代までポンズものの短編集が出ていたのだからこの先が気になる。2018/03/29
大森黃馨
9
私は本家ホームズを読む切っ掛けとなった研究本で同時にこの探偵の存在を知ってはいたのだが実際に読むのは実に約四十年も経てからなのだった ホームズのパスティーシュとして名高いソーラー・ポンズたが本家作品と比較してどうも本筋以外の部分例えば文化背景の部分等がが素っ気ない物足りないような気がした(ホームズ研究本も大分読んでいたせいかもしれないが) でも物足りないとはいえ昔懐かしい的に面白くもっと読みたいポンズ研究本も読みたくとも日本国内には其れ等はもう無いという問題2023/12/21
ホームズ
9
ブックオフで100円(笑)Amazonとかでは結構高く売ってるのに(笑)何回読んでも楽しめます(笑)2011/07/27