出版社内容情報
悪名とどろく凄腕の殺し屋シスターズ兄弟。ゴールドラッシュに沸く狂乱のアメリカ西海岸でのブラック＆ブラッドな旅路。各種ミステリ・ベスト10入りを果たした傑作が文庫化。
内容説明
粗野で狡い兄・チャーリー。普段は優しいが、キレると大変なことになる弟・イーライ。悪名とどろく凄腕の殺し屋シスターズ兄弟は、雇い主の“提督”に命じられ、ある山師を消しにサンフランシスコへと旅立つ。ゴールドラッシュに沸く狂乱のアメリカ西海岸で、兄弟は何に出遭い、何を得て、そして何か失うのか？世界の読者に衝撃を与えたブラッディ＆ブラックな傑作、文庫化！
著者等紹介
デウィット，パトリック［デウィット，パトリック］ ［ｄｅＷｉｔｔ，Ｐａｔｒｉｃｋ］
１９７５年バンクーバー生まれ。皿洗い、バーテンダーなどの職を経て、Ａｂｌｕｔｉｏｎｓで作家デビュー。２０１１年発表の『シスターズ・ブラザーズ』でブッカー賞の最終候補作に選出されたほか、カナダで最も権威があるとされる総督文学賞をはじめ四冠を制覇。また日本では、各種の年末ミステリベスト１０入りを果たした。現在はオレゴン州で妻と息子と暮らす
茂木健［モギタケシ］
翻訳家（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
honyomuhito
71
このあいだ観たジョーカーのホアキン・フェニックスがあまりに良くて彼の出演作を調べてみるとこの本が原作のゴールデンリバーが良いという評判を聞いた。本との出会いはタイミングだ。結果この小説も非常に良かった。ゴールドラッシュのアメリカ西海岸を舞台に蠢く殺し屋と山師たちと思いきや前半は目的地こそ決まってるものの、兄貴は酔いどれ、弟は恋人探しのいきあたりばったりロードムービー寅さん風味もあるよ、てな感じで進んでいくのだがこれがなかなか良い味を出している。そして後半あのレシピを巡る展開で俄然目が離せなくなる。2021/08/09
ずっきん
61
粗野で狡猾な兄と、優しくて狂暴な弟。悪名を轟かせる殺し屋シスターズ兄弟のロードノベルであり、ピカレスク・ウエスタン。ミステリではないのでご注意。血生臭いシーンほど、慈悲の無さだけでなく語り部の弟イーライの無垢さも際立つ、コミカルでセンチメンタルで、マジックリアリズムの香りがする物語。ディティールとエピソード、この世界の構築手腕にうっとりとする。空を向こうにしてエピローグを読み終えた時、耳を澄ましてチャーリーがたてる水音を探し、イーライがどこかで同じ空に照らされているのだろうと嘆息した。年間ベスト入り確実。2019/05/03
アマニョッキ
50
面白かった。ズル賢い兄と優しいけどキレたらこわーい弟の殺し屋兄弟。だけど名字はシスターズ。実際にこんな人たちいたら絶対嫌やなーって思うけど、小説のなかのことなもんで登場人物みんなかわいくて憎めなくて仕方ない。すっごく映画見たいんだけど、多分日程的に無理やろうなー。ジェイクの下睫毛、大画面で堪能したいのになー。あとはジョン・C・ライリー。チャーリー絶対はまり役。歯磨きのくだり映画でもみたいな。「上、下、左、右」「よし、次は舌をごしごしこすれ」2019/07/14
goro＠the_booby
33
ロードノベル西部劇版でしょうか。依頼された殺しを実行しにゴールドラッシュに沸くサンフランシスコへ旅するシスターズ兄弟。旅の途中で出あう変な奴らのお話。ミステリーじゃないし派手なドンパチもないのに弟イーライの語りにズルズルと引き込まれました。ズルズルです(^^;2016/01/04
sawa
25
★★★★★ 西部開拓時代、凄腕の殺し屋シスターズ兄弟は、ある男を殺すためにカリフォルニアへ向かう。創元推理文庫のミステリレーベルだが、ミステリのくくりには収まらず、西部劇でもあり、マジックリアリズム風でもあり、何だか不思議な物語。物語を流れる雰囲気がとてもいいので、ページをめくる手が止まらない。面白かった。(借)2015/05/07
