創元推理文庫<br> 鑢 - 名探偵ゲスリン登場

創元推理文庫
鑢 - 名探偵ゲスリン登場

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  • サイズ 文庫判/ページ数 366p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488171025
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

180
ゲスリンが殺された大臣邸に向かう道すがら宿の主人から話を聞く。周りの景色や館の外観が少しずつ眼に入ってくる。私はこういう書き方が好きだ。長所とも短所ともいえるが、セイヤーズやバークリーの捻った文体に比べて読みやすい。鑢による殴殺。引き倒され止まった大時計。花壇のサンダルの跡、薔薇に引っかかった長い髪から、川を泳いで来た女がいるはずだと考察するのも面白い。だが後半、人の外見から犯人ではあり得ないと推断するなど恣意性が強くて首を傾げた。1920年代に始まるフェア精神の先駆けらしいが、フェアかどうかは難しい所。2022/04/03

歩月るな

15
1924年作品。ゲスリン大佐もディレッタントで燃え尽き症候群のニートであり、ロジャー・シェリンガムやウィムジィ卿と同様一次大戦の後遺症を抱える素人ではない素人探偵。解説は概ね素晴らしいのだが作者の筆力の弱点を人物の実在感が乏しいとするのは、そういう言い方したらどん詰まりでしょうと思わなくもない。文章に魅力が無い所か超一級のエンタメ小説であり、ホームズの時代から黄金期に突入したからこそどんな立派な人でも恋愛が絡めばへまをする、そこに比重が置かれているのが何より人間的で、愛が絡めば論理もへったくれもないのだ。2017/11/30

ボブ

8
著者は5冊読んでいるがこれは再読、叙述方法にこって様々な形式に挑戦したり明確な論理性で都筑道夫等にかなり褒められている著者だが、それ程でもないかな?郊外の邸宅で時の大蔵大臣が殺害される、調査に乗り出したゲスリンは事件に関係のある女性と出会い、忽ち恋に堕ちる、トレント最後の事件を彷彿させる設定。まあ推理の部分などそこそこ楽しめます。2026/01/22

のざきち

6
この作品、昔は童謡殺人の代表作としてよく紹介されてたと思うんですけど、読んでみるとあまり関係なかったですね。それにしても1924年の作品って事は、まだヴァンダインもエラリークィーンも世に出てないんですよね。それでいてこの論理的志向…驚きです。でももっと驚きなのは、100年ほど前から、既に花粉症に悩まされてた人がいたと言う事でしょうか(汗)2019/03/21

東森久利斗

3
サスペンス感のない凡庸で朴訥とした雰囲気、マザーグースとは名ばかりの微妙な舞台設定、常識的で普通の登場人物、冗長感は否めないが何となく読み進めてしまう展開、ミステリー活況前の状況で、埋もれてしまったのも納得。発掘、出版された東京創元社に感謝。創元推理文庫とは思えないセンスの悪い装丁、旧版はさらに最悪、ハヤカワのカーシリーズに匹敵する醜悪さ。男女間の歯がゆくセンチメンタルな心の機微が、時代を感じさせる。タイトルへの”ゲスリン”使用は、濁音原価で読む前からイメージダウン。2026/03/25

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