創元推理文庫
月明かりの男

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  • サイズ 文庫判/ページ数 362p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488168124
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

ヨークヴィル大学構内でフォイル次長警視正が拾った紙片には“殺人計画”が書かれていた。決行は今夜八時。“犯行現場”の建物で拳銃の紛失騒ぎが起きたこともあり、八時に大学へ戻ったフォイルは死体を発見する。被害者は亡命した科学者コンラディ教授。月明かりの中を逃げる不審人物が三人の男に目撃されていたが、彼らの説明はすべて食い違っていた! 大学を舞台にした殺人に精神科医ウィリング博士が挑む、傑作本格ミステリ。

内容説明

私用で大学を訪れたフォイル次長警視正は“殺人計画”の書かれた紙を拾う。決行は今夜八時。直後に拳銃の紛失騒ぎが起きたことに不安を覚え、夜に再び大学を訪れると、亡命化学者の教授が死体で発見された。現場から逃げた人物に関する目撃者三名の証言は、容姿はおろか性別も一致せず、謎は深まっていく。精神科医ウィリングが矛盾だらけの事件に取り組む、珠玉の本格ミステリ。

著者等紹介

マクロイ,ヘレン[マクロイ,ヘレン] [McCloy,Helen]
アメリカの作家。1904年ニューヨークに生まれる。23年、フランスに渡りソルボンヌ大学に入学。在学中から美術評論家や新聞記者として文筆活動を始め、以降十年近くヨーロッパに滞在した。帰国後38年に長編『死の舞踏』で作家デビュー。同書で探偵役の精神科医ベイジル・ウィリング博士を創造する。46年に作家ブレット・ハリデイと結婚(61年に離婚)。50年には女性初のアメリカ探偵作家クラブ(MWA)会長に就任。長年の功績を称えられ、90年にはMWAグランドマスター賞を受賞した。94年没

駒月雅子[コマツキマサコ]
1962年生まれ。慶應義塾大学文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

129
古典的犯人探しのミステリ。舞台はアメリカ。殺されたのは、ナチの収容所から逃げた研究者の教授。犯人は大学内部の犯行か、もしくはドイツからスパイが? 怪しく思えた人が次に殺されたり、謎解きをするのかと思った最初からの登場人物の警察が出番が減ったり、楽しく翻弄された。後で解説をみて、書かれたのが1940年だと知り、本当の戦争が始まる前だとびっくりした。2018/08/19

森オサム

73
著者初読み。1940年の作品ですが、新訳の為か大層読み易い。月明りの中逃げ出した犯人、三人の目撃者は全く違う証言をする。素晴らしい掴みからラストの意外な犯人との対決まで、きちんと整った端正なミステリーでした。当時最新の科学捜査と社会的背景が描かれている割には、現代の日本で読んでも楽しめるのは凄いですね。「本格ミステリベスト102018年版」第三位。シリーズを追いかけて見たい作品に出合いました。おススメします。2018/07/21

セウテス

71
ウィリング博士シリーズ第2弾。殺人現場より走り去る怪しい人影が、3人により目撃される。しかし不思議な事に、その目撃証言は三者三様であった。タイトル月明かりの下で目撃された男は、いったい誰なのか。やがて殺人事件は、第2第3と続いて起きてしまう。必ずしも犯人だけが、嘘の証言をしている分けではないところに、本事件の謎解きのポイントが在る。数多くの不可解な謎、関係者が抱える隠したい出来事が、ウィリング博士によって一つ一つ明らかになる終盤は圧巻である。最初から最後まで余談は一切無い、此ぞミステリ推理する為の作品だ。2017/10/21

星落秋風五丈原

55
この人とウィリングとの出会いはここだったんだ!まあ、ありがち。事件絡みの出会いというのはまず印象的であり、嘘ついてそうな美人とくれば、容疑者スイッチが入っても不思議じゃない。それでいて、ナチスによって故国を逃れてきたという弱みも持っているとなれば、ナイト的願望も湧きおこる。イーデン・フィルポッツやら他の探偵達が陥る罠に、心理学のプロのウィリングも嵌っていたとは、よほど彼女が魅力的だったということか。いやー、告白前にあんな事まで!全然冷静じゃないよ。ウィリングもやはり恋する男だったんだなぁ。2017/09/29

yumiko

53
待ってましたのマクロイの新訳。マルティン・ベックシリーズとこちらは年に一度のお楽しみ♪ 珠玉の犯人当てとの帯文句にわくわくしながら読む。 目撃者三名の証言が容姿も性別も一致せず…マクロイの引きは相変わらず強い。 嘘は心理学上の手がかり、偽の手がかりにこそ犯人の意思が表れているというベイジルの精神医学的な分析は、今までの作品の中でも最も納得できるもの。 消去法で犯人には辿り着くけれど、細かい伏線が美しく気持ちよく読了。 もう少し早く訳されていても良かった作品なのではないかな。2017/09/30

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