創元推理文庫
家蠅とカナリア

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 428p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488168049
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

322
ウィリング博士の探偵っぷりや各登場人物の造形は良。家蝿とカナリアの謎も興味を惹く。しかし肝心の本格ミステリ部分が突っ込みどころだらけ。謎の面、家蝿の方は専門知識で、カナリアの方はロジカルさの欠片もない心理学もどき。伏線の張り方は割と細かいが、一番の謎は"舞台の上で殺害された被害者はなぜ大人しく瀕死の役を演じ続けて声も出さず身動きも取らなかったのか"なのだが、そこはスルーした上で、舞台のどのタイミングで殺されたかが論じられる事に違和感。"言わない約束"が多すぎてミステリと茶番の境界線をフラフラしている。2017/05/20

Kircheis

253
★★★☆☆ ウィリング博士シリーズ第5作目。 冒頭で家蠅とカナリアが事件解決の鍵であることが明かされる。正直家蠅が犯人の生理的特徴を表していると言われても医学的知識のない自分には全然ピンとこなかったが、反面カナリアを逃がしたことが犯人の心理的特徴の表れだというヒントから中盤で犯人は特定できた。 まるで映画のようなサスペンス的な盛り上げ方は流石にうまい。一方中盤の捜査パートは相変わらず地味である。真相のチープさも然り。 それにしてもマクロイ作品に登場する女性は大概性格悪いな…2022/04/03

セウテス

91
【ウィリング博士】シリーズ第5弾。1940年代のアメリカ、舞台の第1幕が閉じると亡くなる役柄の男が、実際に刺殺されていた。観客が見つめる中、被害者に接触した俳優は3人しかいない。犯行凶器の医療用メス、何故か血の付いた刃ではなく、柄に蝿が停まるのをウィリング博士は見ていた。真相の衝撃や意外性の大きさを、期待する読者からすると今ひとつなのかも知れない。しかし少ない容疑者に絞り、最後まで犯人を隠す展開は流石である。カナリヤの考察は少し物足りないが、凶器を手始めに犯人を特定する論理は、本格らしい謎解きを堪能した。2020/03/02

紅はこべ

37
家蠅は科学的証拠、カナリアは心理的証拠の象徴。犯人が緻密に仕組んだ計画自体が犯人を指し示す証拠となっていた。本格の論理が楽しめる。ー2009/09/05

タカギ

29
犯人の体液に独特の臭気があるというのは、『おたんこナース』でみんなが尿の臭いを嗅いでいる場面を思い出した。最初はあまり乗れなくて、謎解きもあんまり感心できなかった。蝿が飛んでいた理由もカナリアが飛んでいた理由も「ああ、そう…」という感じだったし。ウィリング博士が舞台上で死んでいた謎の人物の正体をずばりと指摘する場面が私的には一番盛り上がった。ちょっと長すぎるかも。2020/10/17

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/442317
  • ご注意事項

最近チェックした商品