内容説明
噛み裂かれた雄牛の死骸。その検死にあたった老獣医師の謎の急死。雄牛と同様に惨殺された男…地方都市ポッターズフィールドで連続する怪事件に翻弄される警察署長スローター。かつてこの街でヒッピーたちに君臨したカリスマ、クイラーの足跡を追う雑誌記者ダンラップが、コミューン跡の廃墟で見たのは…?改変と短縮を余儀なくされたマレルの代表作が完全版で復活する。
著者等紹介
公手成幸[クデシゲユキ]
1948年生まれ。同志社大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tetchy
16
本作は一度1979年に出版されたが改稿と短縮を余儀なくされ、1994年にリライトされた完全版が本書。一作目がヴァイオレンス・アクション小説で二作目の本書はパニック・ホラー小説と趣をがらりと変えている。典型的なハリウッド映画的パニック物語だ。デビュー作『一人だけの軍隊』も『ランボー』として映画化されたが、マレルは実に映画向きの題材を扱う。そして物語に絡むのがヒッピーたちが起こしたフラワームーヴメント。これに翳を落とすのはやはりヴェトナム戦争だ。マレルはヴェトナム戦争を自身の小説のテーマとしているようだ。2012/06/11
Kouro-hou
12
キング「呪われた町」にいたく感銘を受けた著者が「もっとこういうの読みたい、というか俺が書く」と書いたところ、諸々の事情で半分程に圧縮改訂。それを元の状態+リライトしたもののようだ。旧版は未読。牧牛盛んな田舎町にひたひたと広がる怪異現象、挫折経験豊富なメインキャラ達、余計な事をする子供。イイネ! メインキャラの一人が「検死医」ってのがいい。何故か彼は名前で呼ばれず職業名で呼ばれる。登場人物紹介にも「検死医」としか書いてない。まあ相方の主人公からして名前がスローターだからね!すごい組み合わせだ。そして下巻へ。2014/07/03
tai65
2
星4・52019/11/25