感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
62
〔再読〕本作は警察小説であり、婦警のクロヴァーを中心に3つの事件の謎と、離婚を認めない元夫とのサスペンスが描かれる。手に入り難い作品だが、ミステリから犯人逮捕時のアクション迄丁寧に作られた、かなりの傑作だと思う。第1の事件、ハンマーで女性を襲う犯人を捕まえる為に、囮を担当していた友人の婦警が、夫と一緒に殺害されてしまう。第2の強盗事件、第3の爆破事件と起こり、それぞれの犯人は捕まえるのだが、謎解きの醍醐味は一寸した見方を変える事で、全く違う様相の事件になる事なのだ。伏線の張り方、息を呑む展開と魅力的作品。2017/11/14
koo
6
ハンマーを手に女性を襲う通り魔逮捕の為に囮として投入された婦人警官が夫と共に殺害され友人でもあった同僚のクロヴァーと部長刑事モンティを中心に捜査してゆくストーリー、タイトルからは一見サイコサスペンス、スリラーぽいですが警察小説スタイルで序盤からは想像できないストーリー展開、巧みなプロットが光ります。この時代でお色気要員じゃない初の婦人警官ものとしても評価できます。ただ訳は古臭く漢字間違いも目立ちました。クライムクラブの「非常線」とこの作品は改訳して出して欲しいですね、埋もれるのが惜しい警察小説です。2024/02/11
新地学@児童書病発動中
1
1960年に書かれた警官小説。ハンマーを持ち、女性を殴り殺す凶悪犯が、女性警官を殺害するところから物語が動き出す。先駆的なサイコサスペンスかと思ったのが、結末で示されるエンディングはかなり意外なものだった。プロットのひねり方は巧みで、ミステリを読む醍醐味が十分に味わえる。主人公の女性警官の淡いロマンスも心地よい。犯人に逮捕に至るまでのラストのアクションシーンも手に汗握る内容で、面白かった。忘れられた警官小説の傑作。ミステリを好きな方すべてにお勧め。2010/12/31
kanamori
0
☆☆☆★2012/10/01
脂肪分
0
2002/11/21 「女性警官を主人公にした最初の」みたいなくくりは不要、ミステリとして丁寧に作ってある。