出版社内容情報
リディアと組んで調査をしていた同業者が殺された。事件は伝説的な宝石《シャンハイ・ムーン》と関わりがあるのか? 私立探偵小説の新たなスタンダード、シリーズ第9弾。
内容説明
私立探偵のリディアは、知り合いの同業者ピラースキーに頼まれ宝石捜しの案件を手伝うことになる。だが、調査を始めて間もなく、ピラースキーは殺されてしまう。消えた宝石と彼の死は、調査の過程で浮かび上がった伝説的なブローチ“シャンハイ・ムーン”の行方と関わりがあるのだろうか?頼もしき相棒ビルの帰還はいつ?私立探偵小説の新たなるスタンダード、シリーズ第九弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@一箱古本市5/5
55
前作でビルは一人去ってしまったけど、やっぱりリディアはかけがえのない人。NYでの宝石捜しは、ユダヤ難民と激動の中国上海を舞台にした家族の物語に繋がってゆく。ローザンは作品ごとに魅力満載であり、こちらもロザリーの人生に引き込まれてしまう。ラストにリディアに送られたモノが目に浮かんでくるよう。それは幸せな家族があった一瞬だったのかもしれない。哀しいのだが物語の終わりには救われるような思いでした。2024/05/22
ほちょこ
18
今回はリディアが主人公。相変わらず生意気な小娘力を発揮しているし、それに我慢強く従えるビルも然り。女性が探偵(または刑事)の小説を数々読んでいるが、決して彼女は有能ではないような気がするのである。(ここまで読んでおいて言うのもなんだが。)おてんば少女探偵だと思うと、可愛らしいのだけど。2016/09/02
kyoko
16
再読。だけどいたく感動している。作中綴られる第二次大戦下のユダヤ人家族と戦後中国の国共内戦のストーリー。数十年前の話だとわかっていても、若者たちの行く末を案じ、怯え、悲しみ、時にはその愛と勇気に胸を打たれた。すごいわ、本当にすごい傑作だった。S.J.ローザンのシリーズはずっと買っていたのでこうやってストレスなしに再読できる。本を買うことの意義まで感じさせられた。2022/11/10
tom
13
このシリーズの9冊目。残りはたぶん1冊。このことがとても残念。今回は女探偵のリディアが主人公。第二次世界大戦の混乱の中、ドイツから船で上海に逃れてきた女性と彼女が船の中で知り合った中国人の恋をからめての、家族の愛の物語。軽いタッチ、軽妙な会話の連続にもかかわらず、内容は濃厚。この作者の作る話は、すこぶるうまいし、とても楽しめる。にもかかわらず、登録数が現時点で81というのが不思議でならない。もっと読んでほしい作家です。それから、私にとっては、この本が記念すべき登録1000冊目。2013/04/14
Masa
11
読了。これはなに? これはなんだろう。前作を読んで、「まぁ、多少本作は霞むだろうね」とか思っていた自分を叱りたい。「物語」を超えている。これは間違いなく、何人もの人生の集合だ。そして、リディア視点の最高傑作だと思う。素晴らしかった。本当に素晴らしかった。リディアとビルに出会えたぼくの人生は、間違いなく子どもたちに自慢できるものだ。かれらを最高の友人として、いつか子どもたちに紹介したい。あー、面白かった! シリーズ、読み終えたくない!2017/07/03
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