内容説明
崖っぷち生活継続中のヘレン、目下の仕事は電話セールス。拒絶や罵倒にひたすら耐えて売りこみをかけるある日の業務中、電話越しに“殺人”が起きるところを聞いてしまう。ところが、警察は事件のあった痕跡を発見できず、勘違いとして処理される。納得のいかないヘレンはみたび探偵活動を始めるが、成り行きでトンデモない相棒と組むことになり…。大好評転職ミステリ第三弾。
著者等紹介
中村有希[ナカムラユキ]
1968年生まれ。1990年東京外国語大学卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
11
「・・・これはアンモニアと漂白剤。混ぜると猛毒のガスが発生する。シュッとやったら、あんたは死ぬよ」 「わたしたち、みんな死ぬじゃないの」 ヘレンは言った。「あなた、自分も化学兵器で殺す気?」 「まさか」 サヴァナは答え、白いマスクをヘレンに向かって放り投げた。「これ、つけて。わたしは家庭用洗剤のプロよ」 ちょっと考えると嘘とわかるんですけど、恐ろしい顔をしてこんなものを突きつけられたら怖いですよね、やっぱり。(笑)2009/06/08
おくちゃん
9
シリーズ3作目。このシリーズ、パターンは同じでスラスラ読める。主人公のパワーに脱帽。はまってます。2020/03/08
み
8
面白かったぁ♪ヘレンはサヴァナと二人で相乗的に無茶するし、だめ男に引っ掛かりかかるし、周りの方々も変わらずイイ感じ。フィルはダメ男じゃなさそうだが、これからどうなるんでしょ。翻訳されてるのは後一冊なのよね〜。2014/03/10
Brooklyn0320
5
偶然入手したので、シリーズ3作目らしいですが気にせず読んでみました。 内容は…まさにコージー・ミステリ。やんごとなき事情で歩合制賃金の仕事に甘んじる元セレブ・ヘレン女史の奮闘を、ペーソス強めで描いてます。ここは個人的にツボでした。色恋やグルメ、ファッションなど女性受けするファクターは満載ですが、事件そのものはけっこうご都合主義で、複雑な謎解きはないです。そこは割り切って読むのがよろしいかと。あと、翻訳ものにしては文章が読みやすいです。固定ファンもいるみたいですが、翻訳者の貢献が大きいと思いました。2013/02/11
うめ
4
シリーズ3作目。面白かった。崖っぷち貧乏なヘレンが今回は電話セールスマンの仕事につくが、やはりブラックな職場で、崖っぷち感はますますパワーアップ。ミステリ色は薄く、フィルを始め、アパートの住人との絆が強くなっているのが、ほんわかしてくる。2020/07/20