感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やっす
4
初期の作品群やパズルシリーズといった本格味の強いものと比べると少々物足りないのですが、一人の人間の本性が徐々に浮かび上がってくる過程はすごく印象的で、作中で何度も触れられている語り手ジェークの妻フェリシアのエピソードがそこに結びつく様になっているのもうまいと思います。最後にはちょっとしたどんでん返しみたいなものもあるし、ジェーク達の明るい未来を感じさせる粋な幕引きもいかにもクェンティンらしくて良かった。2014/05/20
madhatter
2
再読。ある人物を軸として、語り手の見ている世界が完全に反転する流れが非常に印象に残る。また、そのドラマティックな流れに隠れてしまっているが、推理ものとしても、鍵の手掛かりなどは地味ながらなかなかうまいと思う。さて、クェンティン作品は、事件によって多数の人間の醜さが明るみに出る流れのものが多いが、本作は特定の人物の怪物性が引き出されてゆく。これが語り手にとって苦痛なのに変わりはないが、諸悪の根元が抹殺されるという構成のため、単純だがその後の幸福を強く感じさせる。それはそれで怖いことなんだけど。2011/09/21
kanamori
0
☆☆☆☆2013/07/18
キーにゃん@絶対ガラケー主義宣言
0
1999年11月26日