感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ボブ
4
著者11冊目読了。豪華絢爛な大作みたい雰囲気はなくサクサクと物語が語られるが、ヤハリ面白い。後半、推理(犯人)が何回も変わり、メタミステリ的である。人間心理、愛憎を上手く描いていて大変な傑作であり、文学作品とも感じます。個人的には二人の妻を持つ男、網にかかった男、俳優パズル、悪女パズルに並ぶ著者最高傑作かと思いますが、全作品面白い、駄作無しと思います。2026/04/25
やっす
4
初期の作品群やパズルシリーズといった本格味の強いものと比べると少々物足りないのですが、一人の人間の本性が徐々に浮かび上がってくる過程はすごく印象的で、作中で何度も触れられている語り手ジェークの妻フェリシアのエピソードがそこに結びつく様になっているのもうまいと思います。最後にはちょっとしたどんでん返しみたいなものもあるし、ジェーク達の明るい未来を感じさせる粋な幕引きもいかにもクェンティンらしくて良かった。2014/05/20
UPMR
2
傑作だ。息子の冤罪晴らすぞって奮闘するサスペンスとしては前作の『女郎蜘蛛』の構成と似通うが、捜査が進むにつれ、中流家庭の悲劇(すでに存在していたが、語り手だけが気づいていなかった悲劇)が浮かび上がってくるところがミソ。その衝撃を乗り越えてなお揺るぎなく示される父性愛が感動的だ。考えてみると、親子愛の物語って父娘、母息子等の計4パターンあるけど、本作での悪の男性性に虐げられる女性性っていう構造の中では、善の男性性という立場で父息子のコンビを主役に据える必然性があったのだなと感じた。↓2025/12/30
madhatter
2
再読。ある人物を軸として、語り手の見ている世界が完全に反転する流れが非常に印象に残る。また、そのドラマティックな流れに隠れてしまっているが、推理ものとしても、鍵の手掛かりなどは地味ながらなかなかうまいと思う。さて、クェンティン作品は、事件によって多数の人間の醜さが明るみに出る流れのものが多いが、本作は特定の人物の怪物性が引き出されてゆく。これが語り手にとって苦痛なのに変わりはないが、諸悪の根元が抹殺されるという構成のため、単純だがその後の幸福を強く感じさせる。それはそれで怖いことなんだけど。2011/09/21
kanamori
0
☆☆☆☆2013/07/18




