感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けいちゃっぷ
8
ブラウンを読むのは何十年ぶりだろう。 主人公の妻が誘拐された。 最近2回同じような事件があり、警察に知らせた件では被害者の妻は殺され、警察に知らせずに身代金を支払った件では被害者の妻は無事に帰ってきた。 どちらかというと主人公は裕福な方なので、自分の手持ちや株券の換金、それに友人からの借り入れで賄えたのでその方面でのハラハラはない。 後は妻が無事に戻ってと願う主人公の心の葛藤と犯人は誰かということだが、前者はまあまあ後者は想像の範疇で拍子抜け。 せっかくだからブラウンの他の本も読もうかね。 207ページ 2013/01/13
koo
6
けんかした妻が行方不明、自宅で5日を期限とした二万五千ドルの身代金を要求する手紙を発見したロイドを主人公としたサスペンス。通常の誘拐物で読み所となる身代金受け渡し部分ではなく主人公が5日間金策の為奔走する部分がメインストーリーという変わった構成。妻の無事を案じながら所謂恐怖感は全くない何処となく明るい作風ながら捻りのある結末まで200ページで纏まった佳作でした。フレドリックブラウンの長編はこれまで倒叙小説の出来損ないの様な作品2作しか読んでなかったので普通の作品に巡り会えて良かったです(笑)2024/02/14
メイロング
4
誘拐事件よりロイドの金作り大作戦がほぼ小説のメイン。本当にトリックを思いついたのは犯人自身なのか、怪しくなるほどその動機は安っぽい。だからよけいにサブキャラクター、ハリーやネドラを筆頭に、大人しかできない気配りがやたら輝く。なれそめからしてかっこよかったなあ、この二人。主人公、喰われ気味。2014/12/16
tegi
1
誘拐事件の結末には「ブラウン先生、わたしブラウンさんじゃなかったら怒ってましたよ!」と思いました。でもフレドリック・ブラウンはこういうところがいいんだよな~。あとそういうとぼけたことをやっておきつつ、妻を誘拐されたことの焦燥の描写の真正さ(過去のある被害者が決して登場しないことが誠実…)みたいなものはちゃんとあるのだ。2025/04/02
-
- 和書
- 基本的人権の基本問題