感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本木英朗
12
フランスの本格ミステリ作家のひとりである、ミッシェル・ルブランの長編である。俺は2000年に一度読んでいた。人気絶頂の映画女優シルヴィーが殺された。報せをうけた関係者――映画監督、シナリオ・ライター、俳優たちの表情は硬い。素人から、瞬くうちにスターの階段を駆け上がったシルヴィー。傷つかずにやにややり過ごせた者など、はたしていたのか……?という話である。ほとんど中編であるが、まったく分からなかったので真相が何だったか知った時には、本当に凄かったです! またいつか3回目に挑戦かな、ウフフ!!2024/11/06
けいちゃっぷ
10
2000年に復刊したらしいが、おそらく全然手を加えてないので訳がいささか古めかしいし、印刷の文字ですら古くささを感じさせる。 人気女優が殺された。 彼女を殺したいほどの不満を持つ者が何人かいて・・・。 先輩を蹴落としてまで手に入れた「栄光」の座も、うかうかすると滑り落ちてしまう。 いやはや人気稼業で生きていくのも大変ですね。 それにしても、さすがはフランスの小説、簡単には幕引きをしない。 236ページ 2012/04/21
ヨッシー
9
いっやはや、フランスミステリはすんごいねぇ。久々に面白いもんを読ませていただきました。ジャンル的には何に属すのかな……一種の本格ものではあると思います。トリックとしては秀逸なことこの上なく、実は大した話ではないのに、それが登場人物の口を使って語られると素晴らしいパズルストーリーになります。このプロット考えるのはさぞかし大変だったでしょうね。そんでもって最後の一行が……フランス人ってのはまともに話を終わらせられないたちなんですかね(笑)中身を語ると全部ネタバレになりそうなのでこの辺で。2010/06/19
nightowl
4
新作映画の打ち合わせ最中に飛び込んできた主演女優の凶報。そして「わたしが彼女を殺した」と告白する人々。真相は一体?同様の展開がある「ジェゼベルの死」はそれ以上のトリックがあり慄いたが、こちらは話の運び方の上手さが良い。P.221と比較的短めに終わるのも好感。本当に、これで訳が新しければもっと言うことはなかった。洒落たフランスミステリのはずが"ミーちゃんハーちゃん"などと出て来ると違和感を覚えてしまう。尚、解説は法月綸太郎。2013/12/10
ちんもくん
3
うーん、面白かった! 死んだ女は1人、名乗り出た殺人者は2人。しかしどちらの告白も実際の死因と違うという不可解な話からタイトル通りの殺人の四重奏へ。ラスト一節のこういう切り方が非常に好きなのでグッと来ました。 わりと古めな作品ですが十分現代に通用すると思います。 殺されたシルヴィってなんとなく憎めなく可愛いです。2019/04/05
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- 和書
- 近松全集 〈第15巻〉