創元推理文庫
新車のなかの女

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  • サイズ 文庫判/ページ数 357p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488142070
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

出版社内容情報

雇い主の車で初めての南仏を目指した女が巻き込まれた事件。なぜ、初めての土地で皆が彼女を知っているのか? そして彼女は見知らぬ男の死体に対面することに……。

内容説明

金髪のダニーは、社長の新車を空港から社長宅まで回送するよう頼まれた。しかし彼女は南仏への旅を思いつく。真新しいサンダーバードを走らせるダニーの姿は、束の間、女王のようだった。しかし思いも寄らぬ事件が彼女を待ち受けていた。なぜ彼女は襲われたのか?初めての地で皆が彼女を知っているのはなぜか?気まぐれの旅にしかけられた恐るべき罠。鬼才ジャプリゾの真骨頂。

著者等紹介

ジャプリゾ,セバスチアン[ジャプリゾ,セバスチアン] [Japrisot,S´ebastien]
1931年フランス、マルセイユ生まれ。本名ジャン=バティスト・ロッシ(Jean‐Baptiste Rossi)。ソルボンヌ大学在学中に書いた『不幸な出発』で作家デビュー。J・D・サリンジャーの翻訳家としても名を馳せる。ミステリ作家としては1962年に『寝台車の殺人者』、『シンデレラの罠』(フランス推理小説大賞受賞)を続けて発表。一躍世界の注目を浴び、流行作家となった。他に『殺意の夏』(ドゥ・マゴ賞受賞)、『長い日曜日』(アンテラリエ賞受賞)等がある

平岡敦[ヒラオカアツシ]
1955年生まれ。早稲田大学文学部卒業。中央大学大学院修士課程修了。現在中央大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

123
ジャブリゾは知らなかったが、傑作の新訳だった。確かに冒頭から、なんだこれ?という惹きこまれる展開。主人公の彼女は、自分の自己評価は低いものの、第三者的に見るとこの表紙の写真に近いようになかなか魅力的な外見をしている。彼女は事件に巻き込まれたのか、または狂気の状態にいるのか…。ここを調べればいいのではないかということもあるが、どんどんこんがらかっていって、どう収束させるのか困惑した。なので、終わり方にすっかり感心。他の著作も読んでみたい。2016/05/02

星落秋風五丈原

49
物語はまだ海を見たことがないダニーが何者かに襲われて左手を怪我するシーンから始まる。一体彼女は何をしたのか。それとも単なる巻きこまれた被害者なのか。冒頭で投げかけられた謎は、そう簡単に明かされず、次々とダニ―の身には事件が降りかかる。アイデンティティが揺らぐ恐怖に苛まれ、不安定になってエア問答する彼女の様子や、複数の人の証言が出てくると読者の疑惑も深まる一方だ。章タイトルの「女」「眼鏡」「車」「銃」がそのまま事件のキーワードとなっており、第四章某人物の大告白大会は「要らない」という意見も。2016/03/16

あっちゃん

21
題名には見覚えないけど、あらすじには既視感が…と思っていたら昨年見た映画の原作でした(笑)映画の方は思わせぶりな登場人物達にセレブ的な週末とか、ちょっと御高くとまってるんじゃない?だいたい、主人公が美人のタイピストって所で共感出来ないし!とか思ってたけど、小説で読めば過去話とか、不安とかダイレクトに伝わって、それなりに主人公に移入できました(  ̄▽ ̄)書き方が上手いので引き込まれて読了!2017/09/17

寧々子

19
ダニーに起きたことを自分に置き換えて考えるとすごく怖い! 身に覚えがないことを複数の人間に確信を持って言われたら、つい自分を疑ってしまう。 おまけに自分が間違っているのを後押しするような証拠が見つかるとは。 自分を裏切っているような、裏切られているような感覚に、精神的に不安定になってしまいそう。 どんどん窮地に追い込まれていくダニーから目が離せず、本を閉じることがなかなか出来なかった。 ずっと緊張感を強いられたことを思えば、結末は少し弱い? でも、自分が信じられなくなる感覚を味わえたので読み応えはあった!2017/05/10

bapaksejahtera

14
1966年フランスサスペンス。主人公の女性は、広告代理店の社長夫人になった女友達の後釜として働き始めた。ある日社長がパリ祭の休日の前に彼女にタイプ仕事を頼み、かつ家族との休暇旅行に行く為、飛行機で空港迄送って欲しいと、無理な仕事を押付ける。諾した主人公は、ふとした心の迷いから、送るのに使った高級車を駆って南仏にドライブに出かける。しかし道中彼女を襲う怪漢。いつしか車のトランクに入れられた異臭を放つ死体。犯人の仕掛けるトリックや動機が不自然ではあるが、それを上回るスピードと待ち受けるハッピーエンド。許そう。2024/03/01

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