感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本の蟲
13
新川帆立の新作ではない(笑)。〝悪女書き”として有名なカトリーヌ・アルレー作品。出世作『わらの女』主人公は、利己的だが決して悪女とは思えず、可哀そうが勝った。しかし本作の女、青年実業家の妻アガットはまさに〝吐き気を催す邪悪”。タイトル通り報いを受けるので多少もにょるだけですむが、彼女の内面や思考に嫌悪感が抑えられない。逆に若く美しい女に意のままに操られる、男の単純さがひたすら哀れ。あらすじはわりと単純な短いお話。ひと言で云えば、半世紀以上前に描かれた「頂き女子」の末路2025/02/10
Ribes triste
11
豪奢な生活を送りながら破産寸前のジャンとその美しい妻アガット。金策のために、ジャンが自宅に招いたのはマルトーとマルセルの姉弟。4人によって語られる物語。気まぐれな悪魔のような悪女の降臨。最後まで息つく暇ない展開です。アルレーの強烈な毒に酔いました。2018/09/10
おに
5
悪女ものを読みたくて新年早々読んだ。初カトリーヌ・アルレー。典型的な悪女だった。現代的に言うとこれだけ美貌も若さも置かれてる環境も出来過ぎの悪女はリアリティに欠けるのかもしれないが、あちらの国の話だし、読んでて、想像して、悪女は美しくなんぼだなあ、と思った。 4人の登場人物のモノローグがカットバックして進んでいき、だんだん少なくなっていって追い詰められる悪女。構成が美しく、単純ながら、やっぱり先を読みたくなる。多少もったりしている感も今となってはなくもないが、各人のこの世から去ってくその瞬間の詩的なこと。2018/01/03
保山ひャン
5
破産に瀕したジャンは大金を手にするマルセルをあてにする。マルセルはジャンの妻アガットに横恋慕する。アガットは金の無いジャンを見かぎってマルセルに乗り換えたいと思う。自由で裕福な生活のためにジャンが邪魔で死んでしまえばいいと思う。マルセルの姉マルトは余命いくばくもない病気をかかえた女医。全てをお見通しの風情だ。アガットは悪女ではあるが、冷徹な女というより、とことん馬鹿で、世の中をなめきっている。深読みし過ぎて、違う真相を予想したほど、物語はストレートで面白かった。2017/08/30
FIT3
5
妻に殺された男二人、復讐をする姉・・・。ドロドロ感満載。
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