感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
44
「大いなる幻影」はその分け前を期待するジルベーヌは、何処にでもいるろくでもない、甘ったれな男だ。しかし、遺産相続人の義母はピクニック中に熱射病で頓死、更に遺体も車ごと盗まれるという事態に。悪友との奇策よりも取らぬ狸の皮算用や安楽への怠惰さを露にする周囲に苦笑。傍若無人に振舞うマチルドこそ、現実を謳歌していて好ましい。個人的に「死者の入り江」が面白かった。奇怪な出来事が畳みかける恐怖がサスペンス性を煽りつつもネタバラシをしてからの方が余程、怖いとは!とは言え、サド野郎の思い通りにはならんのが心地よい。2023/12/28
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