感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
160
犯罪予告を受けたメグレ警部は故郷に帰り、30年ぶりで早朝のミサに出る。祈祷が終わり、内陣に差し込む光の中で崩れ落ちたのは、幼い日にメグレが憧れた伯爵夫人だった。メグレの父が管財人をしていた伯爵家は没落の途上にある。夫人には秘書兼若い愛人がいて、それを面白く思わない放蕩息子は借金で首が回らない状態で帰郷する。メグレは初め素性を隠していて、宿のおかみさんなども実は幼なじみだが、ぼそっと打ち明けるまで気づかないのだ。ミステリとして無理はあるが読ませる。魯迅の故郷のようなやるせなさと郷愁の混じった情感も悪くない。2019/02/24
bapaksejahtera
12
パリ警視庁にある掲示が。フランスの丁度真ん中の町ムーランの警察が投出し、警視庁に送った犯罪予告の文章だった。町の郊外にある教会でミサ中に犯罪が起こるという内容。該集落は、メグレが生まれた伯爵の旧領であった。まだ警部であったメグレは単独懐かしい生まれ故郷に赴く。果たして警部の目前で伯爵の老未亡人が急死。事件は没落する貴族とその財産を掠め取ろうとする人々の間で起きたのだった。関係者総集合での大団円。但しこれを催したのはメグレではなかった。不自然な犯罪予告は何の為に。或は誰が。主人公と著者未成熟な時代の一編か。2023/08/06
ちび丸
0
★★★2011/04/03