創元推理文庫<br> 男の首 黄色い犬

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創元推理文庫
男の首 黄色い犬

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  • サイズ 文庫判/ページ数 420p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488139018
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

63
【戌年に犬の本】「黄色い犬」事件現場に不意に現れた黄色い犬。早く犯人をあげろとせっつく市長。小さな町にスキャンダルを求めて押し寄せてきた新聞記者たち。メグレ警部はそんなことなどお構いなしで、我が道を行く。頼りなげにも見えながら、誰にも惑わされないメグレの態度はやっぱり頼もしい。「男の首」なんとメグレ警部の主導で、死刑囚が脱獄!脱獄した男と、やたらとメグレ警部にからんでくるなんだか自己顕示欲の強いラデック。 どちらも自信たっぷりの二人のにらみ合いは、ピリピリとした緊迫感に満ちている。2018/03/24

セウテス

36
フランスを代表とする名探偵、メグレ警視(警部)シリーズ。『怪盗レトン』でデビューすると、『メグレ最後の事件』迄百編を越える作品があります。それは、派手なトリックやどんでん返しは無いものの、堅実な人柄や奥さんとの睦まじさに豊かな人間関係が読者をほっとさせるからです。そして逆に見た目はギャング並みの強面であるため、起こるギャップも愉しい処です。作者の背景、人物描写も素晴らしく、落ち着いたミステリーの最高峰として圧倒的な作品数が望まれたのに、日本だけこんなにも入手が困難である事は、残念ですし恥ずかしい事です。2014/07/25

bapaksejahtera

11
1930,31年作品。50年代末の邦訳本の合本である。2作とも通常のメグレ物の量。「男の首」はメグレが所定の手続きで逮捕した男に、検察と予審判事が一気に死刑判決を下す。愈々刑執行の日にメグレは大臣の了解まで取った上、彼を脱獄させて真犯人の動揺を試みるという乱暴なプロット。次は三人の大立者が牛耳る町で怪しい犬がうろつく中、彼らが次々襲われる。最後にメグレが関係者を集め謎解きをする。後年のシリーズは、メグレの捜査進展につれ読者の目の前に犯人の動機と手段、人生が浮き出る作風。若い時の作品は類型的でありキツイ。2023/09/19

kadocks

5
古典ミステリ読もうシリーズ kindle unlimited。 そうそう、これってドストエフスキーの「罪と罰」だったよね。今読むと結構古臭くてプロットの置き方も変なのでわかりづらいから、メグレが説明しないとわからない。特に手紙のくだりは全く提示されないので、煙に巻かれた感じ。unlimited版は新潮文庫版で解説が格調高くてシムノンをバルザックやフォークナーに例える。バルザックはちょっとわかるかも。長ったらしくないバルザック、バルザックは生の方に傾くのに、シムノンは死の方に傾くとな。そこまでかなぁ。2023/09/18

マーブル

5
 『男の首』は犯人の個性が際立っている。既に彼の亜流は存在するのかもしれないが、彼の犯罪へ向かった理由や自滅は、本格もののような緻密な事実の積み上げなどなくても十分な読み応えを有している。  吟味するとあれこれと違いが思い付いて来るのだが、ヨットの上のドロンを思い出した。そう言えばあの映画もフランスだ。  『黄色い犬』  こちらもああではないか?こうなのか?と思いつつ読むのだが、結局メグレの披露する事実に息を飲むしかない。2017/02/28

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