内容説明
上陸地点はカレーかノルマンディか。英国内で活動していたドイツの情報将校ヘンリーは、連合軍のヨーロッパ進攻に関する重大機密を入手、直接アドルフ・ヒトラーに報告するため祖国を目指す。英国陸軍情報部の追跡を振り切り、U=ボートの待つ嵐の海へ船を出したが…。第二次大戦下、史上最大の上陸作戦を成功に導いた、知られざる「英雄」の物語。MWA最優秀長編賞受賞作。
著者等紹介
戸田裕之[トダヒロユキ]
1954年島根県生まれ。早稲田大学卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
186
面白い!ドイツのスパイ”針”が、連合軍のノルマンディ上陸の成否にかかわる重要情報を掴む。針はなんとか情報を届けようとする。しかし”針”は優秀なのに運が無い男だった。様々な悲運に見舞われ波乱万丈。後半は針と交流する女性視点だになるのだが。優しそうな中に危うさを秘めた"針"に惹かれてゆくさまが魅力となっている。クライマックスはターミネータのようだが壮絶。"針"を見つけようとする警部も存在感たっぷり。連合軍の作戦の成否という、背景の重さが本書の芯となっている。2021/11/30
優希
55
MWA最優秀長編賞受賞作。面白かったです。冒険小説と言えますね。連合軍のヨーロッパ進攻の重大機密を入手したため、ヒトラーに報告すべく祖国を目指します。史上最大の上陸作戦を成功に導くのは胸がスカッとしました。知られざる「英雄」の物語だと思います。2023/05/22
たつや
53
本格的スパイ小説でした。どうしてこの本を読んだのか?思い出せない。多分、ここ、読書メーターで見つけて読んだと思います。とても面白かったです。エピローグで、ワールドカップが登場して、急に現代にワープしたような錯覚を覚えました。ケンフォレットの他の作品も気になります。2016/11/18
あさうみ
49
ネットで紹介されて興味をもったスパイ小説。評判にあるようにぐいぐい読ませる。冷酷凄腕スパイ<針>というキャラ造詣もとても魅力的。だが、この作品において主人公の<針>は悪役の立ち位置。途中でどう感情移入したらいいのか迷子になる。かといってヒロインに…?彼女も魅力がないわけではない。ミステリーなどに恋愛要素が入っていてもむしろご褒美ですが、いまいち共感できず…私がお子様だったかな(笑)2018/10/03
詩 音像(utaotozo)
36
長年の宿題終了。訳が変わり、版元が変わり、入手困難が長く続いていたのを、漸く。巷のロマンス不要説にやや不安を感じていたものの、実にいい塩梅のブレンド。針は難破で軟派に転生したのだ!クライマックス、アレにナニを突っ込むとは、ジョンブル魂ここにあり!久々に英国冒険小説を堪能。最終的に針=ジュード・ロウで脳内キャスティング。他は、ルーシイにレイチェル・ワイズ、デイヴィッドにカイル・チャンドラー、ゴドリマンにゲイリー・オールドマン、ブロッグズにマーティン・フリーマン等。ゴドリマンが首相に会う場面で頭がクラクラw 2019/05/28