出版社内容情報
嫌われ者の家長が突然死を遂げた。高血圧なのに油っこいカモ料理を食べたせいだとその姉は主張するが……。巨匠セイヤーズが認めた実力派が、練りに練った傑作本格ミステリ。
内容説明
嫌われ者のグレゴリー・マシューズが突然死を遂げた。すったもんだの末に検死を実施したところ、死因はニコチン中毒で、他殺だったことが判明。だが故人の部屋はすでに掃除されており、ろくに証拠は残っていなかった。おかげでハナサイド警視は、動機は山ほどあるのに、決め手がまったくない事件に挑むはめに…。巨匠セイヤーズが認めた実力派が、練りに練った傑作本格ミステリ。
著者等紹介
猪俣美江子[イノマタミエコ]
慶應義塾大学文学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ち~
27
資産家が毒殺された。同居している一族から嫌われていたため、容疑者は多い。当初、病死と思われており、ハナサイド警視到着時は現場は清掃された後だった。推理は一向に進まないが、鼻摘み者の遺産相続人の甥が、警察やクセ者揃いの一族を嫌味タップリかき乱す様が魅力的で飽きさせない。著者の真骨頂のオマケも有り。2024/01/30
ごへいもち
19
饒舌すぎ。やっぱりこの作者はリージェンシーロマンスのほうが。クリスティもロマンスとミステリーを書いていたけど才能か情熱の差?2013/04/11
Ayah Book
13
英国ミステリー。図書館で借りて読んだのだが、買えばよかったと後悔。。。イケメン洒落者頭が切れて毒舌家のランドールというキャラがかっこよすぎた。ランドールが何故親族の中で毛嫌いされているのか、それが一番の謎だった。また順序を守らず二作目から読んでしまったので、一作目は買ってみよう。2018/05/23
アカツキ
11
ハナサイド警視2作目。嫌われ者の家長が殺され、一族に容疑がかかる…。色々な点で前作と似た構成で、こうなるんだろうなと分かっていても面白い。今作の探偵役、"愛想のよい蛇"ランドールが魅力的。彼らしいひねくれた求愛には大満足だけど、ヒロインにもう少し魅力があれば…。そして、ハナサイド警視はやはり添え物なのね。今作だけでも問題ないけれど、前作の話題や人物が出てくるので読んでいれば少し余分に楽しめます。2019/04/17
ヨッシー
11
いやはや、驚きました。前作よりはるかに上手くなっているじゃありませんか。揉め合う親族、というモチーフがより効果的に用いられており、読んでいて非常に楽しいです。というか、こんなに会話を楽しめるとは思ってもみませんでした。コージー版ブランド……と言えなくもないかな。人物の書き分けもかなり上手いです。某男と某女の関係の変化のほのめかしが絶妙。ミステリとしては普通かな、という気がしますが、それでも前作と比べればはるかに上。あとは決め手となる証拠さえちゃんとしてれば……。とにかくご馳走様でした。次作も楽しみです。2012/04/26