創元推理文庫<br> 三十九階段

  • ポイントキャンペーン

創元推理文庫
三十九階段

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 171p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488121013
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

154
1915年。第一次大戦初期の時代の作品。典型的な巻き込まれ型の作品だが、後半は秘密を暴くスパイのような活躍。著者は弁護士・実業家・政治家であり小説家だという。細部の巧妙さはともかく話の流れは全然面白い。次々起こる問題を、機転と行動力で切り抜けていく。主人公がこういう形で国際陰謀に飲まれていくという着想が良かったのだろう。今だったらこう書かないというのはある。偶然を偶然にみせないための工夫など細部の作りこみ方は甘い。スパイ型冒険小説の歴史的開祖。2021/06/25

NAO

65
ちょっと人生に倦んでいた主人公が突然自分の目の前に現れた人物によって事件に巻き込まれていくという、典型的な巻き込まれ型のスパイ小説。とはいえ、かなり古い話で、主人公がピンチに陥っているとあまりにも都合よすぎるぐらいに誰かが居合わせるし、その居合わせた誰かは、主人公がどんなに奇妙な頼み事をしても、怪しむこともなくその頼みをほいほいと引き受けてくれる。ほほえましいなあとさらりと流すか、出来すぎでつまらないと膨れるか、それをコメディだと笑うかは読み手次第。 2018/03/31

まふ

40
南アから英国に帰国したリチャード・ハネーが同じアパートの住人スカッダーから大きな陰謀があることを知らされるがスカッダーは何者かに殺される。不審に思ったハネーが謎解きの旅に出て次々に襲う陰謀グループの脅威をかいくぐるが、その秘密はスカッダーの残した三十九という数字に秘密がありそう、という話。165ページの中編だがその中身は濃密で、スリル、サスペンス満載だ。某氏某女の重厚長大小説よりもはるかにダイナミックで最後まで読者をひきつけ、一気に読ませる力があった。G1000、推理100。2022/09/28

syota

31
第1次大戦中に発表された英国スパイ小説の先駆的存在。シリアスなスパイものというより、冒険小説と推理小説のミックスといったほうがいい。ストーリーはかなりご都合主義だが、それさえ割り切ってしまえればワクワクドキドキ、快適なテンポの冒険譚を楽しめる。主な舞台であるスコットランドの片田舎の描写も興味深かった。この話の舞台を世界各国に広げれば007ものになるし、惑星世界に移し替えれば昔懐かしいスペースオペラの出来上がりだ。その意味では、エンタメ系スパイ・冒険小説の源流といってもいいと思う。[G1000]2023/04/12

花乃雪音

27
筆者の代表作にしてスパイ小説「リチャード・ハネー」シリーズの第1作。一般人のハネーがトラブルから世界規模の陰謀に巻き込まれて命を狙われる、古式ゆかしいスタイルはスパイ小説というよりスリラーだった。悪い点と良い点を挙げると前者はご都合主義が過ぎること、後者は展開が速くテンポが良いことだった。英国ではオールタイムトップ100犯罪小説に米国ではオールタイムトップ100推理小説に選出されている、後年に影響を与えた1冊と言われたら納得するがオールタイムといわれると素直に納得しずらい。2020/12/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/113447
  • ご注意事項

最近チェックした商品