出版社内容情報
刑事達に囲まれた密室で起きた殺人。夜のパリを徘徊するのは殺人者か、人狼か。悪魔の如き冷酷さと鋭い知性を持つ予審判事アンリ・バンコラン最初の事件。
内容説明
パリの予審判事アンリ・バンコランは、剣の名手と名高いサリニー公爵の依頼をうけ、彼と新妻をつけねらう人物から護るために深夜のナイトクラブを訪れる。だが、バンコランと刑事が出入口を見張るカード室で、公爵は首を切断されていた。怪奇趣味、不可能犯罪、そして密室。カーの著作を彩る魅惑の要素が全て詰まった、探偵小説黄金期の本格派を代表する巨匠の華々して出発点。
著者等紹介
和爾桃子[ワニモモコ]
英米文学翻訳家。慶應義塾大学文学部中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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NAO
68
新婚初日、深夜のナイトクラブの密室で殺害された公爵。怪しげなナイトクラブの構造、新婚の妻ルイーズの前夫、ルイーズ自身も、なんともとらえどころのない人物だ。彼女は、はたして、本当に、男たちにいいように振り回されている悲劇の女性なのか?謎が解き明かされればなるほどという感じではあるが、間のいろいろは、はたして必要なエピソードだったのか・・・。2020/07/17
ジャムうどん@アカウント移動してごはんになります
54
なぜ、今までカーに手を出してこなかったのかと言えば、密室ものがそんなに好きではなかったからなんですが、これは今までの自分を恥じました(笑)本当に面白かった(^^大満足です。サリニー公爵の依頼により、彼と新妻を彼女の元夫から守ることに。しかし、バンコランと刑事が見張っていたカード室で依頼人が殺害されているのを発見する。しかも、首を切断されて…。社交界という華々しい舞台でありながら、どこか退廃的な雰囲気、解説にもあった通りまさしく極上のお化け屋敷と言えそうです。あと、個人的にはバンコランかっこ良すぎた。2016/03/30
yumiha
41
『樽』(クロフツ)と全く違うミステリー。密室の謎は、予想してた状況に近かったが、犯人は全く予想外だった。登場人物がとても個性的。謎を解くバンコランの「真ん中分けの両端をねじって角型にまとめた黒髪」なんて、予審判事という仕事にはふさわしくないのでは・・・。また「一方の肩口にキモノをひっかけた以外は裸」という姿で登場するシャロン・グレイにも、「電気バッテリーつきミイラという趣」のテルラン先生にも、驚かされる。クロフツにはおらんぞ。さらに『不思議の国のアリス』や『黒猫』(ポー)を効果的に使っているのも感心した。2019/11/04
本木英朗
39
ジョン・ディクスン・カーの処女作といえば、もちろんこの作品である。俺は初めてだが、やはり負けちゃった。まあ、別にいいけどね。パリの予審判事アンリ・バンコランは、剣の名手と名高いサリニー公爵の依頼を受け、彼と新妻をつけ狙う人物から護るために深夜のナイトクラブを訪れる。だが、バンコランと刑事が出入口を見張るカード室で、公爵は首を切断されていた……という話から始まる。犯人だと思っていた人物よりもさらに真犯人がいた、ってところがすごかった。いやー、さすがカーである。また10年後に読もう。2020/06/27
こばまり
36
恥ずかしながらカー初読です。いやはやカッコイイ。退廃的で、怪奇趣味で、まるで舞台を観ているよう。小道具として文学作品が出てくるあたり、思わずにやりとしてしまいます。2014/02/21