内容説明
時は1869年。ニューヨークから九年ぶりにもどってきたキット・ファレルは、ロンドンに着いた早々、奇怪な事態に次々と遭遇する。友人たちや、アメリカで別れ別れになった恋人の不可思議な行動、キットを狙う銃弾…。そしてついに彼の目前の密室状況下で、その名もユドルフォ荘という館の主人が撃たれたのだ!この謎に挑戦し、名推理を発揮するのは、名作『月長石』の著者ウィルキー・コリンズその人であった!!ガス灯のきらめく十九世紀半ばのロンドンを舞台に、怪奇・歴史趣味に彩られた不可能犯罪を描く、巨匠ディクスン・カー最後の作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホームズ
9
ブックオフの100円コーナーで発見再読(笑)全体的に退屈としか言いようがない感じ。それなりに面白い謎ではあるとは思うんですが残念ながら生かし切れていない感じで。最後の作品ですから仕方ないのかな。題名と内容が全然一致していないのも理解できませんね。2011/09/18
**くま**
7
カーの遺作。1860年代のロンドンが舞台の歴史ミステリ。文章はところどころ読みにくいけどまぁ全体的に軽いタッチで読みやすいほうだと思うし、物語も謎もキャラもそれなりにしっかりしてますね。でもありがち感やもたつき、くどさがあって、なんだかイマイチ楽しめない・・・。タイトルがB級ホラーみたいで、おどろおどろしい内容を想像してたけど・・・実際はものすごく平和なミステリでした(笑)。恐さもオカルトもゼロ、拍子抜け(笑)。すごいギャップです。個人的に当時のロンドンやマダム・タッソー蝋人形館の話が興味深かったです。2014/07/13
ホームズ
4
ディクスン・カー最後の作品。 友人やアメリカで突然消えた恋人パットの不可解な行動。主人公キット・ファレルを狙う銃弾。友人ナイジェルの夫人が入れ替わっていると言う話と密室下でのナイジェル銃撃。面白かったけど、結末はそれでいいのか?(笑)パットが消えた理由も(笑)探偵役がウィルキー・コリンズって言うのは面白かった(笑)2008/08/26
madhatter
3
再読。何かに似てると思いつつ読んでいたが、コリンズ自身の作品に似ていると、再読にして気付く。確かに殺人の性質は、作中で指摘されるまでわからなかった。だが、ミュリエルをめぐる謎は、思わせぶりに真相を隠す女性達や、大仰な謎、メロドラマティックな流れに既視感がある。ただ…正直コリンズのように面白くはない。大仰であっても統一感のある彼の作品と違って、殺人とミュリエルの謎があまり有機的に結び付いておらず、結局前者はショボい、後者は荒唐無稽という印象のみで終了。2011/06/29
Tetchy
3
あまりにも題名から想起される内容とはかけ離れていて呆気に取られてしまった。未だにこんな題名をつけたのか判らない。時代ミステリであるがため、当時の世俗背景を甦らすのに腐心しているようだが、登場人物が全く活写されていない。2009/03/07