創元推理文庫<br> トレント最後の事件 (新版)

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創元推理文庫
トレント最後の事件 (新版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 336p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488114022
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

アメリカ実業界の大立者がイギリスの別邸で殺害された。世間を騒がすこの大事件の解決に赴いた画家にして名探偵のトレントは、重要容疑者である、被害者の美しき妻メイベルと出会う……。「名探偵が容疑者に恋をする」大胆な展開と見事な謎解きで、英米ミステリ黄金時代の先駆けとなった傑作長編。かの江戸川乱歩が名作ベストテンに選び、翻訳を試み、自作に影響をおよぼすほど惚れこんだ本格ミステリが、新カバー&新解説で登場!

E・C・ベントリー[E・C・ベントリー]

大久保康雄[オオクボヤスオ]

内容説明

アメリカ実業界の巨人マンダースンが、イギリスにある別邸で撃たれ殺害された。画家にして名探偵のトレントは、懇意の新聞社主に依頼され、事件記者として現地に赴く。そこで彼は最重要容疑者である、被害者の美しき妻メイベルと出会うのだった…。独創的な大トリックを有し、恋愛の要素をミステリに持ちこんで成功した本書は、現代推理小説の黎明を告げる記念碑的名作である。

著者等紹介

ベントリー,E.C.[ベントリー,E.C.] [Bentley,E.C.]
1875年イギリス・ロンドン生まれの作家、詩人。新聞社に勤めるかたわら詩を発表。独自の形式を持つ四行詩は、自分のミドルネームにちなみ「クレリヒュー」と称されるようになる。1913年、長編小説『トレント最後の事件』を刊行。ミステリ黄金時代の先駆けとなる歴史的傑作として高く評価される。“ブラウン神父”シリーズの作家G・K・チェスタトンとは学生時代からの盟友であり、36年にはチェスタトンの後任として、ディテクションクラブの第二代会長に就任した。56年没

大久保康雄[オオクボヤスオ]
1905年生まれ。慶応大学卒業。1987年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

71
名探偵物というと、一度や二度間違えた方向に進みはしても、ほとんどの場合、最後には探偵がちゃんと真犯人を見つけ出して大団円となるものだ。だが、トレントには、そういったかっこいい名探偵然としたところがない。彼の推理には、名探偵的らしい冴えが見られない。だが、繰り返されるどんでん返しは、トレントが何かを見落としていたために起きているわけではなく、それは、作者の、それまでの推理小説を打ち壊そうとする挑戦によるものなのだ。そして、作者の挑戦は、デビュー作でありながら『トレント最後の事件』という題にも込められている。2018/07/13

星落秋風五丈原

53
【ガーディアン必読1000冊】画家にして名探偵のトレントは、被害者の美しき妻メイベルと出会う…「またか」と思った皆さま、正解です。トレントはメイベルに恋。「最後の事件」というので散々活躍してきたかと思いきや、これがデビュー作。ややこしい。人が殺されているにも関わらず、被害者の人格がさほど褒められるものではなかったためか、「犯人を見つけて仇を取ってやろう!」という機運が盛り上がりません。むしろ「この事件のせいで悲惨な目にあう人を救い出そう」という方が、動機に近いかも。初登場にしていきなり引退宣言する探偵。2017/03/27

みっぴー

48
富豪の実業家が屋敷で撃たれた。ちょっと辛口ですが、本当にそれだけの話でした。ミステリーではなく、恋愛小説です。トレントというキャラクターにあまり魅力を感じず、その他のキャラクターも個性に乏しくて、あまりのめり込めず読了です。2017/06/22

まふ

26
米国人の大富豪が殺され、画家の素人探偵トレントが犯人を絞り込み、報告書を書いた後は別の仕事に精を出していたが、富豪夫人メイベルが忘れられずにその思いを伝えるも、犯人想定者からの「真実」の告白があり、富豪は自殺だったという結末、ところがこれで終わらず、さらに最後にどんでん返しがあり、トレント探偵の推理がまたも外れる…。異色の終わり方だが、これもあり、か。名作なのだろう。G1000、推理100。2022/08/22

シタン

24
1913年発表。シャーロック・ホームズを中心とする短編推理小説の時代を終わらせた(?)作品のひとつ。天才型名探偵とはまったく異なる、きわめて人間的なフィリップ・トレントという探偵の造形がとても面白かった。一応フーダニットを主軸とした長編小説となっていながら、むしろそれ以外の要素が満載で、いわゆる本格派推理小説を飛び越えてその先のミステリを思わせるところがある。2020/05/22

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