内容説明
ダレハムの海岸で男の溺死体が発見された。その六週間前、自殺すると言って姿を消した一人の旅芸人がいた。当然、人生に絶望したその青年の死体と思われたが、死因に疑問を抱いた医師メレディスが、友人の警察署長フォーブズの許しを得て独自の捜査に乗り出す。単なる自殺と思われていた事件に隠された真相とは?『赤毛のレドメイン家』のフィルポッツが贈る傑作長編推理小説。
著者等紹介
フィルポッツ,イーデン[フィルポッツ,イーデン] [Phillpotts,Eden]
1862年インド生まれ。イギリス本国で教育をうけ、事務員などを経て文筆の道に入る。数多くの推理小説、田園小説、戯曲、詩作を発表。わけても『赤毛のレドメイン家』は名高い傑作である。1960年没
橋本福夫[ハシモトフクオ]
1906年兵庫県に生まれる。1930年、同志社大学英文科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
🐾ドライ🐾
11
海岸で発見された溺死体は自殺を仄めかしていた青年なのか…主人公の医師メレディスがこっそり死体を確認して青年といえる年齢ではないと判断。死体は誰で青年はどこ? 消えた人物を捜すのは『火車』と近くもないが遠くもない。医師は独力で捜査を開始。真相解明まではミステリー&サスペンスの手法に則っているし、単独捜査のプライドで友人の警察署長をやり込めるのも一興だが結末は…ちょっとないな。ハードボイルド調で話が進んできたなら別だがこの結末はない。好きじゃない。2023/11/14
ボブ
7
著者6冊目読了。1931年の作だが晩年の作だろう、やはりルルー、コリンズみたいな古めかしい感じがしますが名作赤毛のレドメイン家の作者です、溺死と思われる遺体の本人を探すところから始まるストーリーは中々いい感じ、推理も良い。登場人物の関係に於いて偶然を使っているところはご都合主義。司法制度、警察、捜査等に対する批評が随所に語られていささか飽きてくる。超クラッシック作家の作品を読めただけで良しとします。2025/08/04
k.kishida
6
確かにちょっと変わった作品でした。政治談義とか死刑制度の是非とかがやたらと出てくるのですから。ミステリーの形を借りて作者が色々語りたかったことを書き上げた作品なのでしょうか。まぁでもそこそこ面白かったです。2017/11/29
hill.384
6
引退した医師である主人公は海岸で発見された溺死体に疑問を抱き、警察とは別に独自の調査を始め、真相に迫っていく。著者の推理小説としては『赤毛』や『闇からの~』と比較すると薄味。ストーリーを楽しむというより、フィルボッツの死刑や犯罪に関した社会思想を知るための読み物と考えた方が良いかもしれない。2014/11/24
pepe
2
主人公の哲学的な問答が冗長だが、後味は悪くない。2019/10/26