感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
16
田舎の城館を舞台にした殺人と宝探し。川の中州にそびえる古い鳩舎の前で実業家が撃たれた。館の窓から見ている人々が橋を渡って駆けつけた時、すでに犯人の姿はない。一種の密室である。ラウール(実はリュパン)は、美しい姉妹を守るため屋敷に止まる。死体で発見された老婆が呟いていた「三つ柳」(カトリーヌの思い出の樹)が、なぜ向こう岸へと移動したのか、など謎はますます深まる。館の主の遺産にまつわる陰謀が明らかになるにつれ、伝説の「大帽子の男」の影がちらつく。見事に真相を暴いたリュパンだが、姉妹を両方好きになっては大変だ。2013/06/29
きりぱい
7
べシュー警部の最期の行動が変?一瞬何かどんでんでもあるのかと思った。事件の方は、大した犯人でもなさそうだったのに突然陥れられて戸惑ったけれど、総体的に淡泊。すべての疑わしき殺人の真相に、あらら・・犯人がするりと消えた理由にも、あらら!と。それにしてもラウールことリュパンは二人同時に愛せるのだろうけれど、女はそれじゃあ困る。2012/04/10
NY
6
歴史と絡んだ財宝と謎の暗号、姿の見えない強敵、作者ルブランのノルマンディー地元愛など、ルパン物の特徴は色濃く出ているが、展開が遅いのでとにかく退屈。美人姉妹も魅力に欠ける。「傲岸不遜で自信に溢れ、美女にモテまくるが最後にフラれる」という定番の展開も、描き方が雑なのでルパンがただの間抜けにしか見えない。超人ルパンの悲しさと孤独、そしてヒロインの魅力がどう描かれているかは、ルパン物の最大のポイントだ。2018/11/10
α0350α
6
再読(多分)3回目です。ラウールとベシゥーの関係が良いですね。謎解きの面白さは相変わらずでしたが、大逆転が少なめなのは残念です。2014/03/10
2兵
4
『バーネット探偵社』『謎の家』に続く、ルパン×ベシューものの第三弾。前作、前々作に比べると、ベシューがかなりルパンを信頼するようになっており、その仲良しっぷりが少々気持ち悪いほど(笑)。これまでルパンに散々やり込められてコケにされていたベシューの悲運さは、今作でも変わらず。なお邦題に「荘」とあるが、作中の印象だと寧ろお城と言ったほうが良い。川沿いに立つ城、三本の柳、黄金、ルパンをも追いつめる謎の怪人物、暗号と雰囲気は抜群。訳が読みづらいのが難点だが、おもしろかった。ベシュー三部作、これにて完結。2019/12/23
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