内容説明
セメントの新製法を探るべくチェイル社に侵入したジョイマウント社の二人は、見咎めた夜警をノックアウトし、間の悪いことに死なせてしまう。遺体を運び出し自動車事故に偽装するが、素人の悲しさ、首席警部フレンチの目を誤魔化せるわけもない。更にはチェイル社の首脳陣にねじこまれ、事態は新たな局面を迎える。恐喝まがいの要求を呑むしかないのか。ジョイマウント絶体絶命。
著者等紹介
大庭忠男[オオバタダオ]
1916年生まれ。日大高師部英語科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kircheis
334
★★★★☆ 『クロイドン発12時30分』に続いて書かれた倒叙物。とはいえ、本作は真犯人ではなく共犯者ブランドの視点とフレンチの視点が交互に描かれるため事件の全貌は読者にはわからず最後までドキドキできる。 はっきり言ってアリバイトリックはチープなのですぐに犯行方法は見抜けるが、構成の妙とブランド君の純朴さによって楽しく読めた。何ならキングにだって同情の余地はある。チェイル側の奴らも碌でもない人間やし! なお本作からフレンチが主席警部になっている。2023/05/10
星落秋風五丈原
34
ジョイマウント社は近頃業績不振に悩んでいた。ライバルであるチェイル社のセメントの方が、遥かに品質がよく、かつ安価なのだ。技術者ならばライバルに負けない製品を作る方に注力すれば良いものを、最初から社長の飲み物に一服盛って鍵を手に入れようとしたり、やり方がおよそ技術者らしくない。他人の技術を盗んでそれで満足なのか。大体ライバル社が気づかないとでも?売り出した製品は勝手に調査できるから同じ成分だったらあっさりばれてしまう。技術競争するよりも偽装したり盗んだりと犯罪に傾きがちなジョイマウントの社風が大いに心配だ。2021/08/02
ボブ
11
樽〜紫色の鎌までの前期は傑作揃い、マルギ卿からの中期も英仏海峡、死の鉄塔(最高傑作かも)クロイドンと魅了的な傑作が並ぶ、続く本作、産業スパイを扱った犯罪スリラーみたい感じで出だしは良いのだが、、、、クロフツの2転3転どんでん返しは上手く決まる時と、2転3転というよりただ順番に推理していってるだけで、どんでん返しも取って付けたような感じになってしまう時があり、本作は後者なのかな?って感じです、再読なんですがイマイチだったのかな?ただクロフツは力が衰えた訳ではなく、この後も後期も力作がたくさんあります。2025/08/20
ホームズ
10
首席警部になって最初の事件。今回はあまり捜査に行き詰ってしまうようなシーンがなく少し寂しいですね(笑)フレンチが悩んでるのが結構好きな場面なんですけどね(笑)せっかく念願の首席警部に昇進したのに同僚だったタナー警部などに壁を作られて寂しくなってしまってるのが(笑)フレンチは出世するのにカーターは出世しませんね~(笑)2011/12/28
ホームズ
9
シリーズの中でも結構好きな作品ですね(笑)倒叙ミステリは犯人を応援したくなってしまう(笑)フレンチ警部が念願の首席警部に昇進して最初の事件(笑)今回はあまり事件に行き詰る場面が見れなかったのは残念(笑)でも同僚の警部達から壁を作られて寂しくなった感じが面白かった(笑)2011/06/25