感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
geshi
24
前半は巨万の富を夢見て怪しげな新発見への投資に深入りし思いもよらぬ犯罪に巻き込まれる婚約者たちの話、中盤はフレンチ警部の地味な細部にわたる捜査、後半はどちらに傾くか分からない裁判のサスペンスと、ストーリー構成がうまい。パミラの懊悩や喜びを読者に疑似体験させる主役交代リレー方式。フレンチはあくまで外部の手助けという立場で出番は少ないが、ラストでたった一つの証拠から一気に解決へとなだれ込む活躍と爽快感に力が注がれている。詰め込みすぎている感じはあるけど。2018/04/05
elf51@禅-NEKOMETAL
9
ずっとクロフツは鉄道のイメージだったのだけれど,改めて読んでみると船の話が多い。今回は大陸でなく,北アイルランドへと方角を変えた。タイトルどおりどうやって船から消えたのかが主題だが,マギル卿最後の旅で一緒に捜査した友人マクラング刑事の登場,法廷シーンも絡めて,興味をそそるように書いている。素人探偵の活躍が主でフレンチ警部の出番はそんなにないが,シリーズものとしてはまずまずだろう。ガソリンを高圧縮で保存,再生するという新発明がらみの殺人だが,発明の謎そのものはさすがに落としどころはこんなところだろうか。2021/08/20
ホームズ
4
今回のはちょっと物足りない感じでした。面白くないわけではないけど前に同じような物語のパターンがあったような気がしてしまって・・・。首席警部になってしまったフレンチの捜査も少し変ってしまった感じがしてしまって、自らが捜査するより他の人が捜査したものを吟味する感じでしたね~。2009/05/14
黒い鴉
3
復刊フェアで初ゲット。楽しみにしていた未読作を堪能した。(毎年の創元復刊フェアに必ずクロフツが入るということは再評価されているのだろうか)未知の技術開発とその売り込みを巡る攻防、そこから発生する事件、巻き込まれる若者、その恋人である可憐なヒロイン、ロンドンと北アイルランドを挟んでのフレンチさんの活躍(アイルランド大好き)、別件で協力し合った名刑事との再会、シリーズの魅力満載の楽しさであった。そして毎度感じるのがヒロイン活躍話の妙。ヒロインの心配、憂鬱、喜びを読者に疑似体験させる術が上手いなぁと感心する。2016/02/20
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
3
☆×4.5…化学的要素があるので苦手な人はちょっと読むのに躊躇してしまうかも…この作品は残念なことに、フレンチの出番は管轄外、と言うことがあり少な目となっております。でも最後のほうでガツンとした活躍があるのでいいかな。今回持ち到れたトリックはいわゆる「だまし」ですね。おそらく先入観を持たされているので、最後の真相のところに来ますと、「ええっ」と思われることでしょう。2009/11/17
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