感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
森オサム
30
前半はモリソンと言う青年の視点で、仕事やら恋愛やらと事件が起きるまでをじっくりと描いている。後半はフレンチ警部の視点となり、事件解決までをこれもじっくりと描いていました。なので地味な話では有りますが、犯人特定に至るアリバイ崩しは結構面白く、全然分からなかったので楽しめました。まあ現代では無理なトリックなのでしょうが、1939年の話ですからね。しかし本作は復刊フェア2024の1冊でしたが、新訳版でも新装版でも無いので活字が小っちゃい!。最近audibleメインと言う事も有り、老眼には堪えましたー(笑)。2024/12/25
うた
9
事件の前段階、ビジネスの話やイギリス諸島めぐりのあたりは、さすがクロフツという細部のキレ。『樽』や『最大の事件』もそうだけれど、旅好きですよねクロフツ。前半の語り部であるモリスンも好青年だったけれど、謎解きとしてはもう少しフレンチが絡むのが早い方が、面白かったと思う。2024/11/15
ホームズ
9
前半事件が起きるまでが少し長かったかな~。フレンチ首席警部登場後の展開もいつもよりもス少し物足りない感じがしてしまったかな。フレンチ夫人の登場は面白かった(笑)とりあえず『ギルフォードの犯罪』『毒蛇の謎』とそれなりに面白かった作品を読んできてしまったので少し物足りないかな~(笑)2010/06/12
黒い鴉
6
本作もクロフツ作品の例にもれず、前半はあるベンチャー企業の思い付きから軌道に乗るまで、そして事件発生。後半は別件で乗り合わせたフレンチ警部と北アイルランド警察との共同捜査。そしてやはりサラリーマン、会社員には身につまされる話。今回の1つの読みどころ、ヒロインマーゴットとフレンチ夫人エムさんの存在。夫人がヒロインをとても気に入ってしまい、彼女の望みをかなえるべく警部に助言する処、俺は大好きである。少しだけ情に絆されるフレンチ!いいな。やっぱりいい。2014/04/21
ぼくねこ
5
1939年発表のフレンチ警部シリーズ第19作目。当時クロフツがハマっていたのか、またまた船が舞台となる。1部で事件発生までの背景や設定が描かれ、2部でフレンチ警部の捜査が始まるのは、お馴染みの光景なのだが、+αの一捻りが加えられているのが上手い。1部で語られるビジネスアイデアとその実行方法もシンプルに面白く、クロフツの創作能力の高さに改めて感動する。トリックの凝り具合、鮮やかさも安定の出来なのだが、それでもやや物足りないのは、たぶんフレンチ警部の捜査が短いから。もっと「退屈」が欲しい体になっている。2021/03/11