出版社内容情報
大病院の創設者である老婦人が、手術直前に絞殺された。エラリーの鋭敏なる頭脳は真犯人を指摘できるのか。犯人当てミステリの名作として世に名高い〈国名シリーズ〉第3作。
内容説明
“オランダ記念病院”の創設者である大富豪の老婦人が、緊急手術の直前に針金で絞殺された。たまたま病院に居合わせた作家エラリーの指図で事件現場はただちに保存されるが、検証を進め関係者の証言を総合しても、手術着姿の犯人の正体は皆目つかめない。やがて再び病院内で殺人が…!犯人当てミステリの最高峰として歴史に名を刻む“国名シリーズ”第三作。
著者等紹介
中村有希[ナカムラユキ]
1968年生まれ。1990年東京外国語大学卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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がたやぴん
51
国名シリーズ三作目。地味と言われればそうなんだけど、徐々に出来が良くなる印象。ジェーナの小さな活躍が嬉しい今作。読者への挑戦は8割しか解けず、考えが及ばなかった自分が残念。また、解説にもあるようにノンプロ時代の作品だそうです。仕事として書いていないからこそ、派手さや、奇を衒うようなトリックにこだわらず作られたように思います。2015/01/12
みなみ
30
国名シリーズの三作目。病院を舞台として老婦人が殺害されるところから始まり、関係者を事情聴取していく。怪しい登場人物が沢山登場するなかで、理詰めで犯人を絞り込んでいくのがとても面白かったが、細かなところまでは当てることが出来なかったのは悔しい。元々の章のタイトルが「…ion」で終わるのがお洒落だけれど、日本語では再現が難しいと感じつつ読了。2023/05/21
ルカ
27
オランダ記念病院の連続殺人事件 手術着姿に変装した犯人探し (靴とズボンは、人殺し女について名前以外のすべてを教えてくれ ファイル戸棚は名前を教えてくれた) エラリーのロジカルな推理に捲る手が止まらず、後半一気読み。2023/08/15
yucchi
26
国名シリーズ第3弾。劇場、デパートときて今回の舞台は病院。あの人もこの人も色々隠し事するから、なかなか真実にたどり着けなくて探偵って大変(笑) 珍しくエラリーが自信なさげだったが、解決編では活き活きとしたエラリーが見れてよかった。最後の情報はあくまで証拠固めなんだろうけど、出すの遅いんじゃないかな〜。2014/07/06
のっぱらー
24
2014年締めくくりの1冊は、初めてのクイーンの国名シリーズ。エラリーと全く同じ条件の手がかりを提示した上で「読者への挑戦」で真っ向勝負を挑んでくる、まさに本格の鑑のような作品。大病院を舞台にした内容も、今読んでも古さを感じず、新鮮な感じで読むことができた。解説によるとこの作品がクイーンの副業作家としての最後の作品とのこと。しがらみに囚われずのびのびと書きたい作品を書くことができた、という部分も頷ける内容だった。2014/12/31