出版社内容情報
エラリー・クイーン[エラリークイーン]
編集
中村保男[ナカムラヤスオ]
翻訳
吉田誠一[ヨシダセイイチ]
翻訳
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
184
67編収録。この短さで、(動機も含めて)殺す側の心理が如実に感じ取れるのは凄いとしか言いようがない。ただし純粋なミステリだけでなく、散文詩風のものもあれば、SF、ホラー、奇想小説もある。私には意味が判らないものも。文豪作品ではやはりモーパッサンが傑出、デュマもエンタメ性が高くて良かった。全体では、ポーカーの駆け引きにあっと驚かされる「カードの対決」、恋の一言が死を招く「月の光」、感動させつつ鋭利な社会批判でヒヤッとさせる「ある老人の死」が好み。「ある老人の死」の作者アーサー・ミラーは他作品も読んでみたい。2022/05/29
Tetchy
41
全67編。1日1編という縛りでじっくり読むことにした本書だが、流石にこれだけ集まれば玉石混交な印象はぬぐえない。またミステリプロパーの作家たちのみならず、マーク・トウェインやモーパッサンなど純文学作家、大衆作家からの作品も網羅している。さらには医学博士の手による作品すらもある。まさにクイーンの収集範囲の広範さを思い知らされるアンソロジー。たった10ページ前後でミステリが成立するかと半信半疑だったが、なかなかどうして。立派にミステリしていた。叙述トリック物から謎を複数も盛り込んだものまで多種多彩。2013/05/20
rosetta
27
★★★☆☆470ページもあるけど70編入っているから1つ当たりは五分で読めるようなショートショート集。1969年刊行で日本翻訳は1975年。素晴らしいと思った数篇もあるし、意味の分からなかったのも数篇。それは自分の理解力か時代性、地域性かもしれない。いつも思うのだがこういったアンソロジーは初出の年や雑誌などの情報を載せて欲しいな…それによって時代や地域が分かって背景の理解にも役に立つのだから。サキやモーパッサンやO・ヘンリーは鉄板その他にもよそで読んだような名作も含まれているし、読んで損は無い2020/04/26
くさてる
23
最大で2千字、最少は五百語という短さのミニ・ミステリアンソロジー。数十年ぶりに再読したのだけど、けっこう内容を覚えていた。それだけ印象的な話が多いということなのだけど、当時は作者の名前など気にもしていなかったので、あらためて、錚々たる面子の名前に感心してしまった。時代性はあるし、古いアンソロなので、いまとなっては……な話も多いですが、それを越えている作品はそれ以上にあります。おすすめ。2021/02/28
kokada_jnet
17
創元推理文庫のかつての悪い癖として「作者個人の短編集に収録されているので、再録しませんでした」があり。この本もそれをやっているが。こういうアンソロジーは編者クイーンの作品の並べ方に意味があるのであり、完全収録にして欲しかったところ。