創元推理文庫<br> ケンネル殺人事件

創元推理文庫
ケンネル殺人事件

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  • サイズ 文庫判/ページ数 354p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488103064
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

246
様々な"不可解"が連鎖する冒頭は実に魅力的。しかしヴァンスがいちいち「これは犯人にとっては予想外の事態だったのだ」と念押ししてくるので、だんだん白けてきて勿体ない。ラストの犯人の末路は色々と現代の倫理感にそぐわず、これを新作で書いた作家がいたらネットで袋叩きにされそう。強烈なトラウマをプレゼントされたエンライトさんへのフォローも無責任過ぎて笑える。プロットは凝っていて、テリアから導く推理もこのシリーズにしては論理的であり、飽食時代のミステリ愛好家が「実はこの作品もなかなか…」といって愛でるタイプの作品。2016/10/29

雪紫

53
自殺というには不可解な痕跡を残して密室で死んだ中国陶器コレクター。他には重体な犬と(住民は犬嫌い)、もうひとりの他殺体。中国陶器あれこれは、文字より絵で見たくなるそれ。ヴァンスが証拠ないから犯人に手を出せないと打ち明けるのは事件に携わり続けたからこその人間味の現われか、それとも作者自身の模索の始まりか?終盤と犯人の最期は急過ぎたけど(目が点)、真相は好みの方で「チャイナ橙」と違う意味で「犯人たちの事件簿」な意味で見たくなる。収まるところに収まった各々の結末といい、ある意味これもわんだふるー?2025/02/21

LUNE MER

21
おそらくヴァン・ダイン作品の中で最もバカミスの称号がしっくりくる作品。真相が読者(+マーカム、ヒース)に提示される前に司法の手を待つことなく超法規的に仕置きされる犯人という(だんだんお約束となりつつある)展開に加え、シュールなコントを見せつけられているかのような事件当夜の真相。密室を構成する機械的なトリックは古色蒼然としているのだが、本作に見出せる面白味はそんな些末なところではないと感じさせるヴァン・ダインならではの逸品。2022/09/19

造理

17
★★★★☆ 密室で刺殺された後、拳銃で撃たれた死体。さらに犬が死んでいたり等など、まさにジグソーパズルをばらばらにした状態の謎だらけ。これらを矛盾無く説明するヴァンスの謎解きは素晴らしいの一言。密室トリックも図で説明してありわかり易かったです。2016/04/07

ぽんすけ

14
知名度はあまりないけど隠れた名作といわれる本作。「グリーン家殺人事件」や「僧正殺人事件」が有名すぎるだけで、本作も十分に読み応えがある。この殺人事件をめぐっては一見どういう関係があるのかわからない謎がこれでもかと出てくるのだが、それをヴァンスが一つずつ解き明かしていくことで二件の殺人の真相が明かされる。そして最終的にまたあの終わり方である。司法当局として常に被疑者死亡ってどうなの?と思うけど。さて、まだこれからもこのシリーズは続くのだが、この巻以降は評判がよくないので私もここまでで読了としよう。2025/04/28

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