内容説明
ミステリ史上最大にして最高の名探偵シャーロック・ホームズの推理と活躍を、ワトスンが綴るシリーズ第1短編集。ホームズの緻密な計画がひとりの女性によって破られる「ボヘミアの醜聞」、赤毛の男を求める奇妙な団体の意図が鮮やかに解明される「赤毛組合」、閉ざされた部屋での怪死事件に秘められたおそるべき真相「まだらの紐」など、いずれも忘れ難き12の名品を収録する。
著者等紹介
深町眞理子[フカマチマリコ]
1931年生まれ。1951年、都立忍岡高校卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
280
PRで読了。「まだらの紐」「唇のねじれた男」など有名な話を含むシャーロック・ホームズの短編集で、空いた時間にチョコチョコ読める。いまさらながら、おもしろいところは事件のトリックとか解決よりも、依頼人が事務所に来たところで披露されるホームズの観察眼による分析のところなんだなと気づく。作品によっては「えっここで終わるの?」と思うくらい解決部分がアッサリした話もあるが、おおむねおもしろく読める。あと、過去の事件の話がたまに出てくるのも、世界観の形成と読者サービスになっている部分があるのかな。2018/03/26
MICK KICHI
114
<マンスリー・ホームズ> ホームズものの魅力の一つがスピード感だと思う。辻馬車、鉄道、徒歩、19世紀のロンドンを縦横無尽に行動する場面転換のイメージに魅力を感じる。そして、孤高の存在感。ワトソンが寝てる側で、身じろぎせず沈思黙考する場面が、この短編集でも数回登場する。言って見れば、行動力と推理、動と静のコントラストか。 「ボヘミアの醜聞」はいきなり敗北?から冒頭作品。「まだらの紐」「橅の木屋敷の怪」等、名作中の名作を堪能すると至福の時間が訪れて来る。2019/03/06
とも
95
時代背景や歴史を知れば、もっと楽しめたのだろう。 ホームズがスーパーマンみたいで理解するのになかなかついて行けなかった。そこがいいのかもしれないが。2021/12/28
stobe1904
75
【記念すべきシャーロック・ホームズ短編集第一弾】子供のころに、ポプラ社の全集を夢中になって読みふけって以来、数十年ぶりに読み返してみた。『赤毛組合』や『まだらの紐』の筋書きは覚えていたが、改めて読み返してみても、切れ味の良さに感銘を受ける。古文調の翻訳や挿絵も、100年以上前のイギリスの雰囲気をうまく伝えている。2作目以降も少しづつ読み進めたい。★★★★★2023/08/05
たつや
73
確か、新潮文庫の100冊になってたと思いますが、この創元社推理文庫版は12編収録されており、当時のストランド紙の挿し絵もふんだんに収録されており、お得感がある。じっくり読むと、やはり、冒頭のボヘミアの醜聞、赤髪組合、花婿の正体の3連発はつくづく面白い。映画やテレビという刺激の少なかった当時は衝撃的だったことは容易に想像できる。ゆっくりとシャーロックホームズの世界を楽しみたいと思う。2017/05/18