感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
121
江戸川乱歩の古典短編ミステリーの傑作を6篇を編んでいる。短編の面白さ物語りの重厚性や人間性を描ぎ込むことではなく、ミステリアスな内容と時にウェットに富んだ意外性に主眼がおかれる。個人的に面白かったのは、アントン・チェホフの『安全マッチ』、アンナ・カサリン・グリーン『医師とその妻と時計』、ジャック・フレッヨレル『十三独房の問題』、そして何といっても『紅はこべ』の作者で〝安楽椅子探偵”のジャンルを確立したバロネス・オルツイの『ダブリン事件』である。殆どの作品を挙げてしまったが、乱歩の見識眼の鋭い証左であろう。2016/06/20
GaGa
47
タイタニックとともに沈んだ、ジャック・フットレルの「13号独房の問題」が飛びぬけていい。まあ、多少言いたいことはあるものの、密室からの脱出劇を上手に描いている。あとは「人を呪わば」「医師とその妻と時計」などがいい。「ダブリン事件」は名作として扱われることもあるが、まあ、こんなもんだろう。2013/06/16
yucchi
32
【密室祭3-3】『十三号独房の問題』を読みたくて購入。『密室大図鑑』で紹介されていたが、独房から7つの関門を思考機械はどうやってクリアしたのか?ご都合主義的な感じが否めないが面白かった。これ以外にもバロネス・オルツィ『ダブリン事件』も収録されていて、私の大好きな小説に出てくるエラリイ、ポウ、ルルウ、カー、ヴァン、アガサ、オルツィ、ドイルは読んだ。あとはモーリス・ルブランだな(•ω•́)✧2015/09/12
たまご
31
ザ・古典!の推理短編小説を.初めはとっつきにくく感じますが,いやいや,楽しいです.チエホフ(チェーホフ)が以外でした. そういえば昔,思考機械の短編集を読んで,続けて読むとつらかった記憶が….アンソロジーって,こういうところもいいですよね.2017/04/27
hanchyan@つまりはそういうことだ
28
どれもどこか牧歌的なほんわかした読み味。チェホフのなんかバカミスだよ(笑)。“謎はそのうち解決される”っていう予定調和から来るものなんだろうか。こんにちでは謎が解かれるかどうかすら油断できないもんな(笑)。そんな中“ミステリ=犯罪に纏わるはなし”として正調(?)に不吉な予感と暗さがある「医師とその妻と時計」「ダブリン事件」が印象的。「放心家組合」のドタバタと皮肉なオチも好み。まあ、とか何とか言ってもやっぱりベストは思考機械だなあ。P261一行目のカッコ良さ!これこそ“探偵小説”に求めるカタルシスだ。2015/04/29
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- 和書
- 永井隆の十字架の道行