出版社内容情報
自分の店を持つことが夢の料理人・実果は、三ツ星レストランの雇用が決まった矢先にケガをして失業、恋人にも逃げられてしまう。不運が重なり落ち込む彼女だが、「これは神様がくれた休日なんだ! 」と吹っ切り、夏休みをかねて瀬戸内海の小島を訪れることに。そこで待っていたのは、気まぐれで営業しているという不思議な食堂。食堂を通じて島の人々とふれあいながら、実果はすこしずつ夢と向き合っていく――。ゆったりとした時間が流れていく、夏休みのような小説。
有間カオル[アリマカオル]
内容説明
料理人の実果は、念願の三ツ星レストランで働きはじめた矢先にケガをして失業、恋人にも逃げられてしまう。不運が重なり思いがけなく休みができた彼女は、瀬戸内の小島まで旅行することに。そこで出合ったのは、気まぐれで営業しているという風変わりな食堂。食堂を通じて様々な経験をしていくうちに、実果はすこしずつ自分の夢と向き合っていく―。
著者等紹介
有間カオル[アリマカオル]
東京都出身。法政大学卒。2009年『太陽のあくび』が第1回メディアワークス文庫賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みかん🍊
96
神さまがくれた休日、仕事も恋人も失った実果は瀬戸内海に浮かぶ小さな島でのんびり猫と戯れたり散歩したり過ごす、そこで出会った島のこどもたちと気まぐれ食堂、自分の過去や料理人としてやりたい事に向き合い夢を見極めていく、実果と一緒に島での長い休日をのんびり楽しんだ気になりました。昼寝していると島猫がわらわら寄って来るっていいなあ~2017/01/18
ぶんこ
66
自転車事故で利き手を怪我して三つ星レストランのシェフの仕事を無くし、病院を退院すると同棲していた恋人がいない。傷心の実果は孤独を癒そうと四国の島へ1ヶ月間の休暇をとりに行く。野良猫で有名となった、何もない島。時間はゆっくりと流れ、神様がくれた休暇と思ってのんびりを楽しむ。こんな休暇も良いですね。白猫に誘導されるようにして辿り着いた「気まぐれ食堂」で、謎の人物と子どもたちと知り合い、生きがいを取り戻す。三河さんとのロマンスがあるのかと期待したのですが、あれれ、ここで終わっちゃった。物足りない。2017/03/09
ゆみねこ
63
有間カオルさん、初読み。読み友さんの感想から手に。怪我のため三星レストランの職を失い、恋人にも逃げられた失意の方田実果。瀬戸内の島で一ヶ月を過ごした彼女の再生と成長の物語。実果の料理、美味しそうでした。2018/08/01
九月猫
60
職と恋人と家を一度に失うことになった28歳の実果。神様がくれた少し早い夏休みと思い、瀬戸内の小島で過ごす4週間のお話。猫と海と島の子どもたちと、謎の気まぐれ食堂。人生のお休みから次のステップに進むためのお話でもあるのだけど、ただただ爽やかに吹き抜ける潮風のようなお話。それこそ海のきれいな場所でなぁんにも考えずにゆっくりと少し長い休暇を過ごす時のおともに。そんな優雅な休暇は実際には取れないけれど気分だけでも、な時にもいいかも。リフレッシュできると思います。舞台の猫島は男木島かなぁ。行きたいなぁ。2017/02/18
ゆきちん
54
都会でケガをして仕事ができなくなり、入院中に恋人に去られ、なにもかも無くして人生の夏休みを取る事にした実果。選んだのは瀬戸内海の地味な島。あるのは海と山。老夫婦が営む民宿。次第に傷が癒されて…ってパターンなんだけど、この本の特徴は主人公が調理師であることと、「気まぐれ食堂」という営業してる風でもない施設のついて謎解きみたいなのをするところかな。謎の男、安藤と5人しかいない子どもたち、島の人たちとの交流。こんな夏休み、うらやましい。2018/06/19