躯体上の翼

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  • サイズ B6判/ページ数 236p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488027261
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

生体兵器として孤独に生きる少女は、ただ一人を守るため数百隻の巨大船団に戦いを挑む。『プラ・バロック』の俊英が描く硬質な抒情に満ちた遠未来の物語。

内容説明

緩やかに衰退する“共和国”の生体兵器として造られ数百年にわたり、戦いと孤独を生き抜いた少女。彼女は、初めて“誰か”の為に願った―緑化政策船団211隻、すべて、私が墜とす。黄昏ゆく世界を硬質な抒情で描く本格SF。

著者等紹介

結城充考[ユウキミツタカ]
1970年、香川県生まれ。2004年、『奇蹟の表現』で第11回電撃小説大賞銀賞を受賞し、デビュー。08年、『プラ・バロック』で第12回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞。10年「雨が降る頃」が第63回日本推理作家協会賞短編部門の候補となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キキハル

22
初読みの作家さんだが予想外に面白かった。特に道仕がダウンロードされてからは、その傲慢ぶりと保身本能のいやらしさに笑いが出るほどだ。一方で、員の行為の潔さが光る。人狗との対戦用生体兵器である員は、ネットで知り合ったcyの危機を救うべく立ち上がる。員とcyによる7文字だけの交流が微笑ましくも切ない。打ち解けて会いたいと望むのは非生物でも変わりはないが、感情的にならず冷静に物語世界を作り上げてあり、ラストの終わり方も好みで読後感も良い。固有名が付いた存在が下位の者であるのも、作者の意気を感じられ良かったと思う。2014/03/07

いおむ

21
特に明確な説明が最後までなく、淡々と物語が進む。おそらく1〜2世紀未来の世界を舞台にしたSF作品。作品の主幹である〈員〉と〈cy〉のネットを通じた交流のお陰で船団211隻が危うく全滅しそうになる話。どの立場が正義みたいな書き方をしていないため感情移入出来ず、突き放されたように場面場面を見せられて行く。一番好ましかったのが掃除機の〈清〉。そしてきらいではない作品。2024/01/28

mayu

17
ゆるやかに朽ちていく世界。滅びに向かう共和国。拡張する炭素繊維躯体。闘うために造られた孤独な少女。なんって好みの世界なんだ。衞仕として長い時を過ごしてきた員の初恋。一度に七文字しか送れない言葉。じれったいからこそ彼女を夢中にさせる。二人の交流にもう少し時間をかけてほしかったとも思う反面、戦闘開始後の員の戦いっぷりの容赦のなさをみると、これはやはり戦う女の子の話なんだと思う。彼女は凛々しく、美しかった。それが道仕の腐臭漂う生々しさとの対比により際立ち、ラストには爽快感とほんの少しの切なさが残る。2014/10/23

なしかれー

13
会いたい人を守るため、巨大船団に戦いを挑む少女の話。舞台は進化した科学が「大遷移」を引き起こし、地表が炭素繊維躯体に覆われた世界。緩やかに退化している共和国の思惑と、遺伝的に共和国に従わざるを得ない彼女。守りたい人が出来た時に彼女がとった行動がとても切ない。たった七文字のやりとりで、運命が変わる。そんな経験、してみたいものだな。何と言うか突き放した文章で、だけど、却って員の気持ちが泣きたくなるほど伝わってきて、何度本を閉じたかわからない。色々気になる部分はあるものの、これくらいの素っ気なさがいいのかな。2014/02/07

けいちゃっぷ

11
滅びに向かっているかのような世界の、大部分を覆う炭素繊維躯体。 遺伝子操作の暴走から生まれたらしい凶暴で脅威的な能力を有する「人狗」。 それと闘うために造られた「対狗衛仕」の少女・員(エン)。 員がネットを介して初めて交流できた人物・cy。 員はcyを守るために共和国や人狗を敵に回して(つまり世界を敵に回して)自らの意志により戦う。 最初は読みにくかったが、様子が分かってきてからは面白く読めました。 236ページ 2014/11/22

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