出版社内容情報
あの夜、わたしは出会ってしまった。ハナカマキリのような、獲物を求める恐ろしい女に。圧倒的な筆致で描く、映画『着信アリ』、『強欲な羊』で脚光を浴びた著者の新たなる恐怖。
内容説明
私は真尋、不破真尋。会社の飲み会の後、深夜に出会った彼女はどこか翳のある、優しくて有能な女性だった。つらい過去に囚われて苦しむ真尋は密かに彼女のようになりたいと願うが、次々と不可解な出来事に巻き込まれ、追い詰められた末に人を殺めてしまう。そこに彼女から、ある提案が―。私は真尋、不破真尋、なの?圧倒的な筆力で、驚愕のラストシーンまで主人公を追い詰めていく。「強欲な羊」でミステリーズ!新人賞を受賞した著者が贈る渾身の初長編。
著者等紹介
美輪和音[ミワカズネ]
東京都生まれ。青山学院大学卒。脚本家として、秋元康原作のホラー映画“着信アリ”シリーズ三作品を手がけるなど活躍(大良美波子名義)。2010年、「強欲な羊」で第七回ミステリーズ!新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobby
108
さすが読み友さん達の絶賛は伊達ではなく面白かった!親切な隣人の謎や成り代わりなど、どこかで見た内容と重なるのはご愛嬌(笑)それでも浅はかに読ませず、展開に思わず引き込まれる。二重三重に挙げられる人物に脳内混乱するも、整理した通りに重なるのが心地よい。タイトル『ハナカマキリの祈り』がなかなか深い。グロさ免疫あれば間違いなくオススメ♪最後の解釈は曖昧にしておけばよいのかな…2016/06/10
ぷっくん
68
(読友さんオススメ本)なんだなんだ‼︎この感じは!最初から先へ先へと読みたくさせる(^^;;途中は本当にこんがらかりましたよ笑。1冊の中に色んなものが詰まってました!どことなく火車を思わせる所があったかな?これはイヤミスなんだろうなぁ〜(^o^)気持ち悪くなる描写が出てきましたが、気になるので後半は一気です笑。それにしてもラスト怖〜(>_<)2016/05/12
えりこんぐ
63
グロい...怖い...そしてややこしい? なのに夢中になって読めてしまう作家さん。人間の姿をしたハナカマキリの様な彼女。どっと疲れる読書タイムだった。2018/11/10
ナミのママ
63
暴行の暗い過去を持つ女性が主人公・・ということで、暗い心理小説かと思ったら、違って、良い意味で裏切られました。図書館予約に失敗し、読み過ごしたまま忘れていたこの作品、「読友さんの多くが面白い!というものは面白いんだ!」と改めて思います。人物の複雑さは聞いていたのでよく整理しながら読み進めました。トリックの面白さと、グロイ場面のすさまじい描写、そして最後。えーっ、どうなったの?どこか読み落とした??その後が気になります。みんな、どうなったんだろう??2016/09/14
だんじろー
56
絵に描いたようなイヤミス。残虐な描写に背筋がぞくぞくします。読者を引っ張っていく力技はなかなかですが、できれば「いづみ」からの視点も少し欲しかったかなあ。いや、だいぶ欲しかったなあ。終盤に近づくにつれて、冷血なモンスター的な側面ばかりがクローズアップされてしまって、彼女をここまで追い詰めた闇の部分が蔑ろにされてしまったのが何とも惜しい。悪い言い方をすれば“ありふれた”サスペンス。せっかくタイトルに「祈り」とあるのに、宿命と葛藤に苛まれただろう彼女の心情に蓋をしてしまったのは、実に残念でなりません。2015/09/10