出版社内容情報
不世出の剣士ソロー。敬虔な貴族のエネミア。〈剣の天使〉の後継者ゼン。それぞれ剣を握る理由を持つ三人は、過酷な戦場へと導かれる。俊英渾身の傑作。
内容説明
古の神の眷属と信じられている『神王』一族が治めるシオン神王国。その最北に位置するラダッカでは、原因不明の死病が流行していた。猛吹雪の予兆ゆえ極北の監視任務から帰還した“蛇の目”団の若き長ソローは、神王家から派遣された地形官の護衛を命じられる。百二十年ごとに繰り返される異常な吹雪と死病の原因は神王国の根幹にかかわる秘密にある、と地形官は語る。ラダッカを襲う異変は、ソローと彼の幼なじみたち―騎士を目指すエネミアと、神王国を守護する『剣の天使』の後継者ゼンの運命を大きく変えることになる。破格の新鋭が圧倒的筆力で描き上げたファンタジー史に名を刻む傑作。
著者等紹介
岡田剛[オカダタケシ]
1979年石川県生まれ。2004年、『ゴスペラー』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
春一番
37
ベストセラーの面白さなんて映画でもドラマでも味わえる。でも世の中には本に耽溺する人間だけが知ることができることもある。世界にはこの本のよさを理解できるのは自分だけだろうなと小さな優越感に浸れることもその一つだ。この本はその喜びを与えてくれる。決して劇的なプロットではない。けれど物語の根底に静かに漂うニヒリズムと散りばめられた皮肉の数々はコーヒーの香りのようにほのかに読者を酔わせてくれる。2022/11/07
いちろ(1969aMAN改め)
10
うーむ。分かったようなことは言わんでおこう。神王国の北辺で起きた悪神との戦いの物語だ。唐突に始まり、すさまじい世界観を残してパタンと終わってしまった。でも、もう一度読まないとたぶん分かっていない。いや、もう一度読んだら理解するかは自信が無い。凄いとほめたくなる世界をこしらえながら、その説明は容赦なく省かれていて理解が及んでいない。でも面白く読めた。なんのこっちゃだ。失礼を承知で言うならば、もったいない、書き直してくれ。お馬鹿な私のためにもう少しページを増やしてくれ。人には勧めがたいが面白かった。2013/12/05
まつじん
9
西洋、いや北欧、つまり洋風ファンタジーですな。結構面白かったけど、なんとなく消化不良の感も残ります。2014/11/12
てんてん(^^)/
5
何となく基本的な日本語力に問題があるような気がするのは私だけか。誰が何をしているのか見失う。誰のセリフかわからない。特に戦闘シーンのようなスピーディで複雑な動きになると大混乱。 もっと文章を整理して、登場人物の思考の道筋を読者にしっかりわかるように表現してほしい。ただ難解な表現を使うだけでは独りよがりと思われても仕方がないと思う。 内容もちょっと盛りすぎなうえに、ソローを主人公とした必然性がよくわからない。なぜあんな全てを拒絶、否定したおしてるような男を主人公にしたのか。 (コメントへ続く)2013/07/15
しまっち。
3
雰囲気は好みなのだけど、どうもこの世界の世界観、宗教観が頭に入りにくく、取り残された感覚のまま物語は進んでいき、キャラクターの魅力を満喫できないまま終わってしまった、という物足りない読後感。闘いの描写は細かすぎてちょっと読み飛ばしたくなり、キャラクターや背景の説明は足りないのでは、と思う。面白い話のはずなのに、なんだかもったいない感じがする。2014/05/10