出版社内容情報
英都大学推理小説研に入部したアリスと、おなじみの面々が遭遇した奇妙な出来事。アリスの入学から、マリアの入部までの1年を9編にわたって瑞々しく描いた、江神シリーズ初の短編集。
内容説明
その人の落とした『虚無への供物』が、英都大学推理小説研究会(EMC)入部のきっかけだった―。大学に入学した一九八八年四月、アリスは、江神二郎との偶然の出会いからEMCに入部する。江神、望月、織田とおなじみの面々が遭遇した奇妙な出来事の数々。望月の下宿でのノート盗難事件を描く「瑠璃荘事件」をはじめ、アリスと江神の大晦日の一夜を活写する「除夜を歩く」など、全九編収録。昭和から平成への転換期を背景に、アリスの入学からマリアの入部までの一年を瑞々しく描いた、ファン必携のシリーズ初短編集。
著者等紹介
有栖川有栖[アリスガワアリス]
1959年大阪市生まれ。同志社大学法学部卒業。89年『月光ゲーム』でデビュー。2003年『マレー鉄道の謎』で第56回日本推理作家協会賞、08年『女王国の城』で第8回本格ミステリ大賞を受賞。本格ミステリ作家クラブ初代会長を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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れみ
171
アリスが推理小説研究会に入部するきっかけになった江神との出会いからマリアが入部するきっかけになった事件までの1年間に起こった出来事を集めた短編集。無為に過ごしてる感じがすごく良いし、とくに「四分間では短すぎる」のラストが好き。ここに出てくるお話の間にシリーズの長編に書かれている事件が起こっているらしいのでいつか読んでみよう。ここに描かれている時代の雰囲気で当時小学生だった私の記憶に残っているのは夕方のニュースで天皇陛下の体温とかを毎日伝えていたことくらいかも。2015/07/12
takaC
140
題名は「EMC 1988」とかの方がしっくりくる気がします。または「江神二郎と仲間たち」とか。あまり「洞察」が印象に残る話は無かったので。2013/05/27
ダイ@2019.11.2~一時休止
136
学生アリスその5。短編集。次回の最終長編?が早く読みたい。2013/10/12
財布にジャック
131
江神さんとアリス、そしてマリアまでもが登場する懐かしい短編集でした。学生編4作品を読んでいないと、おそらく面白さが半減してしまうのではと心配な内容ですが、私のように学生編大ファンには待ちに待った1冊でした。この小説に出てくる推理小説研究会なるサークルが、ミステリー好きには堪らなく魅力的なんです。今回も短編なのに実はお話が絡み合っているものもあり、今後長編1冊と短編1冊を書いて完結させる予定のようですが、全てが出揃った後に全巻通して読み返したいシリーズだと思いました。2013/01/31
紅はこべ
119
シリーズ初の短編集。アリスの入部に始まり、マリアの入部で終わる。その間に『月光ゲーム』の事件が起きる。『月光ゲーム』を初めて読んだ頃は、新本格派を知ったばかりで、私もミステリ初心者だったなと、この本を読みながら、懐古的気分に浸ってしまった。2014/10/01
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- 和書
- 晩年 岩波文庫