内容説明
大富豪の館でメイドとして働く妹に頼まれ、名探偵・西園寺とその館にかけつけた神尾は、奇妙な殺人事件に遭遇する。衆人環視下、謎の方法で館の主が殴り殺され、容疑者は、なんと館を訪れていた計百人!誰もかれもが疑わしい!?しかも外界に通じる唯一の道である橋が爆破され、閉鎖空間内で次々事件が…。鬼才があなたに“本格ミステリ”の意味を問う、驚愕の最新作。
著者等紹介
山口芳宏[ヤマグチヨシヒロ]
1973年三重県生まれ。横浜国立大学卒。ゲームプランナー、シナリオライターとして活躍後、2007年『雲上都市の大冒険』で第17回鮎川哲也賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bugsy Malone
69
『館×古典的名探偵×100人の容疑者』ときた上に作者があの『雲上都市の大冒険』の山口芳宏さんとあっては読まずにいられない。さすがに100人全員の人物設定までは説明されてはいないが、物語に影響のない、それこそその他大勢に名前と素性が与えられているだけでもその労力に頭が下がる。探偵小説が大好きなのにどこか斜に構えているようで、でもそこがまた読んでいて楽しかったりもして。発表作が少ないのが残念ですが、とても魅力のある作者さんです。2020/06/07
うまる
32
人里離れた館で起こる殺人事件なのに、なんと容疑者100人!100人以上載ってる人物表なんて初めて見たわ。絶対覚えられない(笑 探偵すら戸惑う状況なので、全く先が読めない展開で面白かったです。設定だけで終わりじゃなくて、ちゃんとミステリなのが良いですね。トリックや凶器の行方にも驚かせていただきました。最後にチラッと出てきた人は、別のシリーズの方なんでしょうか。他の作品にも興味が沸きました。2022/06/23
assam2005
30
「○○館の殺人」とくれば「孤島、もしくは閉鎖された空間でおこる凄惨な殺人事件」と連鎖反応するのは私だけだろうか。作者が違うのだが「~館の殺人」ときたので、無性に手に取りたくなりました。全く雰囲気の違う殺人事件で、かつ、いくら閉ざされた空間と言えど100人も揃っていたら普通の殺人事件とかわらない…。伏線回収というより、少々強引な解決だが、ま、面白いからいっか。(笑)最初の「人物一覧」から作者の世界観が醸し出されています。その世界観を保持しつつ、勢いつけてそのままゴール。こういう軽さも嫌いじゃないです。(笑)2018/07/29
あああ
27
初読み作家さん。キャラ設定、サスペンス部分ともによかったと思います。トリックもバカ(誉めてます)で満足。序盤『ラノベっぽいなぁ』とか思いながら読んでいたのですが、後半は意外とそうでもなく。人もごろごろ死ぬし、描写もかなりえげつない。最後の思わせぶりなシーンは、この作者さんの他の作品につながってることを表してるんでしょうか。時間があれば、他のも読んでみたいです。2018/07/03
coco夏ko10角
24
爆破された橋、孤立したお屋敷、繋がらない電話、連続殺人…クローズド・サークルたまらん!だが容疑者100人、という…。登場人物表に名前がずら~り。でも重要な人物は数人だし、犯人が登場したときの説明が怪しくて印象に残ってたのでなんとかなった。そしてトリックは…トリックは…このトリックは、ちょっと…。2015/04/24