内容説明
大学教授にして推理作家の富井は、ドイツの修道院に妻と共に招かれた。新設の美術館が、巨匠クラナハの幻の傑作を開館に先立ち公開するというのだ。だが、日本人女性画家が失踪したうえ、二つの殺傷事件が続けて起きる。招待客に紛れて殺人を犯したと疑われるKGBエージェント“オットー”を逮捕すべく、西ドイツの諜報機関が立てた作戦に、富井は協力を要請された。舞台をマルタの小島に移し、再び容疑者たちを集めた盛大なパーティが開かれる。だが、宴の後で発見されたのは、それぞれ異なる方法で死に至った、四人の亡骸だった…絵画の謎と謀略に彩られた、絢爛たる歴史ミステリ。
著者等紹介
後藤均[ゴトウヒトシ]
1958年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。86年シカゴ大学経営大学院を卒業。2002年、『写本室(スクリプトリウム)の迷宮』で第12回鮎川哲也賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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