内容説明
ある女流画家の個展会場で、一枚の絵を見た女が、悲鳴をあげた。五年前に失踪した自分の夫の居場所をこの画家が知っているにちがいない、というのが彼女の不可解な主張だった。しかし、画家と失踪した男に接点はなかった。五年前の謎に満ちた失踪事件…。五年後の今、再びその失踪現場だった家で事件が起きる。今度は密室殺人事件。そして密室殺人はつづく。『汝、レクイエムを聴け』という問題の絵に隠された驚くべき真実!魅力的な謎といくつもの密室に彩られた第14回鮎川哲也賞受賞の傑作本格ミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
雪紫
24
再読。「汝、レクイエムを聴け」ーーその絵が連続する密室事件の引き金だった。初読時、真梨さんが良くモチーフにする「負けず嫌いの女性達」の言葉を思い出したが再読でもそれは変わらなかった。しかし密室トリックは覚えてたけど、美味しそうな料理と嫌な女性の心理がより印象に残るよ・・・。最後の麻美はやっぱりいくら人が好くても迂闊過ぎないだろうか・・・。なお、読むとしたらメインの絵が表紙に描かれてるこのバージョンがおすすめ。見返したくなるし。2019/08/23
紅はこべ
17
女性心理が丹念に書き込まれた恋愛ミステリ。男性キャラの恋愛は観念的。密室は独創的とは言えないが、積み重なると圧巻だ。2008/12/22
ダフネ
9
面白かった!島田荘司さんの選評が渋い(≧∇≦)2015/09/23
はとむぎ
9
ミステリーかと思いきや、恋愛要素が魅力的な話。【不浄観】。じっくり考えれば、ここで書かれてるほど美しいものではないだろうが、頭に残るキーワードだった。2014/11/14
造理
8
★★☆☆☆ タイトルにあるように密室における事件が複数出てきますが、真相はやや拍子抜けで残念。ただ表紙の絵画に纏わる謎から人間関係、事件の動機を明らかにしていく過程は新鮮でした。女性作家ならではの女の心理が随所に現れていて、身につまされる部分があったりなかったり(笑)2016/11/06




